山形石のポイントは、なんといっても左右に広がる稜線の角度(カーブ)にあります。この写真のように、勝手側(流れの側)は、山肌を少しえぐるような感じで滑らかに稜線を伸ばし、反対側(主峰側:押す側)は、ふっくらと丸みを帯びた感じで、山全体を勝手側に押している姿が理想です。ただし、このような曲線については、行体や草体の石に当てはまるもので、真体の石については、川擦れが少ないものが多く、このように綺麗な曲線を描くものは少ないです。この曲線のあり方は、このような単峰形だけではなく、連山形・島形石・滝石・岩形石などでも考え方は同様です
 山頂部も重要な要素になり、石の真ん中に山頂部がくることなく、従来は6:4くらいのところが良いとされていたのですが、特にその比にこだわることはなく、6:4〜8:2程度の間に山頂部が位置するくらいでかまいません。この比については、全体のバランスがとれていれば、さほど問われることはありません。また、山頂部については、キチンと山頂部がわかるようなものが望ましく、この石の場合、山頂部の丸みが、全体の見付け線から比べると緩やかすぎのため、ちょっと曖昧に感じられてしまい、あまり良い山頂部ではありません





 次に上面から見てみます。山頂部から地図で見かけるように綺麗に等高線が描かれているような状況が、山の美しさを引き立たせていることがわかり、山頂部も一目でわかるようなメリハリの効いた形となっていることもわかります。また、上面から見た場合に、主峰側が太く(厚く)、勝手側が細く(薄く)なることも必要で、ゆっくりと滑らかに細くなってくるものが、落ち着きがあります
 これは構えの良い石で、主峰側の稜線・勝手側の稜線とも、最後は緩やかに手前側に向かい、石全体の構えとしては申し分のない形をしています



 こちらは、構えが良くない普通(草体)の山形石です。主峰側からの押しも、滑らかな稜線を描いていて、勝手側稜線も敷き砂に設置するまで滑らかに描かれており、見付の線については、角度・滑らかさともに申し分ありません


 これは上面から見たところです。主峰側・勝手側の稜線がともに左右に開き、まったく構えていませんし、逃げもありません。このように 『構えていない』 ことは、欠点ではなく、草体の石では、これがプラスに作用する場合も多々あります。ですから、 『構えが良い』 ということが、水石の必須条件ではないことがこれからでもわかると思います。あくまでも、全体の形状に合っていながらバランスの良いことが重要になります。また、主峰部から勝手側に向かう線についても、主峰側にしっかりとしたボリュームがあり、滑らかに細くなっていってますので、上面から見た形にも特に欠点は見あたりません



 これは、背の高い山形石です。それでありながらも、勝手側に裾を長くひいている形の山形石です。主峰の位置が、だいぶ左寄り(2:8に近い)なのですが、この石のように裾を長く引いているような石で、バランスがとれているのであれば、主峰の位置は、巷間言われているような「6:4」にこだわらなくてもかまいません


 これは、同じ石を上面から見た写真です。上記の2石と比較すると、勝手側は同じように細くなっているのがわかりますが、主峰側にはボリュームが無いことがわかります。このように背の高い山形石については、主峰側にボリュームが無いことは欠点となりません。本来ならば、高さに合わせて厚み(奥行き・ボリューム)が必要となってきますが、高さがある一定線を越えた場合は、あまり厚み(奥行き・ボリューム)がでてしまうと、石が厚ぼったくなってしまい、背の高さを活かしたスッキリとした形にはなりません。ですから、背が高くなるほど、主峰の厚みは少なくなり、どちらかというと細くなってくる方が、石の形がスッキリと美しくなってきます







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