滝石は、文字通り滝の景色を現している石です。まず、石全体の形がポイントになります。よく見かける滝石は、だいたいは下部の方が太く厚く、上部にいくに従って細くなっていくのが普通です。このような形では、力強さばかりが目立ってしまい、石が持つ魅力である「瀟洒」や「痩せ」などという美を表現するのには、ほど遠いものになってしまいます。石全体の形は、やはり下部が細すぎない程度に細く、上部が太く厚い(太すぎない事)ものの方が、石全体の姿としては、はるかに美しさを感じ、時には、瀟洒や痩せすらも感じることができますので、そのような形が理想形になるのです。この石では、まだまだ全体のバランスがイマイチで、横幅に比べると、もう倍ほど高さが欲しいところですが、なんとなく雰囲気はわかってもらえるのではないかと思います
 次に、肝心の滝の部分になるわけですが、滝がある自然状態は、谷がありその奥に滝が見えるというのが普通で、なおかつ理想の姿でもあります。もちろん山形の山頂と同じく、滝が石の真ん中にあるのではなく、左右どちらか6:4くらいの位置にあることも理想の一つです。また、滝には 『落ち口(滝が落ち始める所』 もあり、 『滝壺』 もあります。この二つも備えていることも理想形の一つの要素となります。もう一点は、滝の見え方も重要な要素の一つです。石の正面にそのまま滝が見えるのではなくて、正面から見た場合は、谷が見えその奥に滝の一部が少しだけ見えるくらいの方が、芸もあり奥ゆかしくて良いことになります。さすがに滝石となると、たくさんのポイントがありますので、これらを満たした良石はなかなかあるものではありません


 この石は、石全体の形については、下部が細く、上に行くに従って少し太くなってくるという、石全体の形は、まあまあ望ましいものになっています。また、谷部も幾筋かが深くえぐられ、その奥に滝の一部が見えるという、滝だけを鑑賞するのには、なかなか条件が整った石となっています。ただ惜しむらくは、実景とは少しかけ離れた感じもしないではありませんが、少し具象的に滝を鑑賞するという感じの石となっています。いわゆる 『形似より神似』 と呼びたいような石で、滝だけを鑑賞するのであれば一級品の石です


 この石は、ごく一般的に見られるような普通の滝石です。石全体のバランス・滝の位置・滝の描写・滝壺等、特に欠点らしきものは少ないのですが、谷の深さが少ないことが、欠点と言えば欠点にあたります。特にこの様な石の場合は、石の正面がどちらかというとフラットになっているので、やはり、少し谷があり、その奥に滝があることが望まれます。見付けの線もあまり良くないことが、この写真でもわかります


 この石に限らず、上部から見た時に、注意する点は一つだけです。流れの方向に向かって(つまり勝手側に)ゆるやかに細くなっていくことが必要で、最大のポイントでもあります


 このような滝も、よく見かけるタイプの石ですが、上記3石と比べて一番違う点は、滝壺が無くそのまま敷き砂に滝が落下しています。これでも悪いわけではありませんが、やはり、滝壺のあるものと比較すると、滝石としては、どうしても一格落ちてしまいますので、やはり滝壺は欲しいところです。また、この石の場合は、母岩に比べて滝の高さのバランスが、あまり良くなく、もう少し滝の高さが欲しいところです








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