姿石についても、紋様石同様さまざまな姿のものがありますが、水石飾りに用いることができるものとなると、紋様石と同じように限られてきます。代表的なものとしては、観音様・高師・老師などを彷彿とさせるような、品格のあるものでしょう。このような姿石のポイントは、2点あり、1点目は頭部で、ここにまろやかな丸みがあることが必要になります。それとともに、全体が細っそりとしていることと、下部が太くないことも上品さを現す意味でも必要です。また、木彫や石彫の観音様みたいに、真っ直ぐ直立している必要もなく、身体を少しだけ丸めているような感じを受ける方が、より想像を働かすことができるので、良いと思います。けっして形だけが似ていれば良いということではなく、似ていることもよりも、この2点を満たしていることの方が重要であり、姿石の理想形でもあります。いわゆる 『形似よりも神似』 という事になります。この石は、その細さから観音様に見立てることができます


 この石も、人物を現わしている姿石で、前記の石に比べると、やや太った姿の人物を想像させる石で、高師や老僧を思わせるような姿石となっています


 このような舟形石も姿石の範疇に入ります。当たり前のことですが、舟形といっても、どこの国の舟にでも似ていれば良いというものではなく、日本の和船や笹舟に似ているものでなければ、飾りに使うことはできません


 これは、上面から撮影したものです。ちょっと左側の厚みが厚すぎるように感じてしまいますが、できればもう少し細長いものの方が、和船の趣(おもむき)を感じさせて良いでしょう


 こちらも舟形石の一つです。本来の和船の底は平らなのが普通なのですが、水石の場合は、平らではなく丸みを持っている方が、水石としての美しさやまろやかさが加味されますので、まろみがある方が優れています。また、舳先については、この石のように跳ね出す感じのものが美しさとともに厳しさをも表現できます
 この石のように、水を溜めることができるものについては、鑑賞時には水を溜めて飾り、涼しさも併せて鑑賞するようにします


 こちらが上面から撮影したものです。この石は、いわゆる石が削げてできた『ソゲ』と呼ばれているものですが、このように丸く削げる特徴を持つ石に、舟形石は多くできることから、段石と同じように良石を産する産地は、自ずと決まってくる傾向にあります。また、この石は、間口と奥行きのバランスはちょうど良いくらいの感じで、なかなか均整のとれた舟形石となっています


 舟形石については、上記の2例でも示したとおり、水盤に据えて飾るのが普通なのですが、時には、この石のように台座を付けて、添配として利用することも可能です。この石は、そのまま水盤に据えてしまうと、ただの細長い溜まり石にしかならず、あまりたいしてものではないのですが、このように台座を付けて舟形の添配としてなら、なんとか使えそうです(左右四寸)








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