山形石について数が多いのは、やはり島形石で、ほとんどの島形石では山を持っていますが、山の形のあり方については、山形石の項目で前述したとおりで、島形石のポイントは、やはり入り江にあるでしょう。どこにでもあれば良いと言うことではなく、必要なところにあるのが、もちろんベストで、あとは全体のバランスということになります。この石は、3つの大きな入り江を抱えた島形の石です。この石の場合、入り江の向きが正面を向いていなくて、左向きに位置しています。このように、入り江全体が正面から見えないことは、奥行き感を想像させたり、見付の線に芸がでますので、鑑賞のポイントにもなります


 こちらが、上面から見た写真になります。島形石については、一つもしくは複数の入り江を持っていますので、見付けの線については、それだけで芸を持っていることになりますので、構えについても、あまり構えの良い石だと、煩雑になってしまう傾向にあると思います。やはり、全体のバランスがとれていることが重要なポイントになります。また、この石のように多少の 『逃げ』 があっても、全体のバランスがとれていれば、全然問題ないことがわかります


 この石は、上記の石と比較すると、同じ島形石でありながらも、平らな破面を持っている石です。平らな破面は、平地の景色を連想させるので、同じ島形でも雄大な景色を感じさせる石となります。それに対して、上記の石は、平らな破面がないので、絶壁に囲まれた洋上に浮かぶ孤島を思わせる景色となっています。どちらが上かという優劣はありませんが、それぞれの景色に応じた飾りが必要になってきます。つまり、前者の石に、平地の景色を連想させるものを取り合わせてしまうと、景色の一体感や調和が生まれてきませんが、この石であれば、平地の景色のものを取り合わせても、まったく違和感を感じさせません。そういう意味では、こちらの石の方が、飾りの幅が広がり、使いやすい石となります


 これは、上面から見た写真です。このように伸びがあって、入り江の少ない石では、多少は構えていても良いのですが、入り江の形状が複雑なものとか、複数の入り江を持つような前者みたいな石では、あまり構えていない方が似合います。この石の場合は、構えと入り江のバランスについては、特に問題のない範囲で、前者に比べると雄大な景色になっています


 こちらは、ちょっと斜に構えた感じの島形石です。島形とはいっても、石全体の厚みが薄く、荒々しくなっていますので、に最初の石のように洋上に浮かぶ孤島の景色でもなく、2番目のような雄大な島を彷彿とさせるものでもありません。島形とはいっても、限りなく岩礁に近い近景の島を彷彿とさせるものとなっています


 上面から見ると、このような感じです。石自体は擦れているので、それほど荒々しさは感じられないのですが、やはり「蛇崩」の部分が、どうしても荒々しく感じさせてしまうことがわかります

 想像させる景色が違うこの3石を比べると、それぞれが持つ景色の特徴をよく現わしている石なのですが、それぞれが持ち合わしている芸の多さと芸のバランス、また石全体のバランスを考え合わせると、2番目のような石が島形としては良い石だと思われます。








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