茅舎石のポイントは、 『軒の出』『庇』 の2点がポイントです。多少形が崩れていても、この2点だけがしっかりと表現されていることが重要です。特に「軒の出」姿が良いことが美しい茅舎になるポイントでもあり、庇が出る角度も少し深めの方が茅屋としての雰囲気が出るようになります。この石の場合は、手前に延びている庇が、少し深くなっているので奥行き感を感じさせ、醸し出していることがわかり、この部分が非常に効いています。また、川擦れが良いことも、この石の特徴でもあります。


 茅舎は、台座で鑑賞されますので、台座についても重要な鑑賞ポイントになります。台座については、別項で書く予定ですが、基本的には、上にのせる水石の 『悪いところをカバー』 しながらも、台座があることを忘れさせるくらい水石と一体感があるものでなくてはなりません。言葉で書くと簡単なようですが、実際このことを文字で説明しようとするとけっこう難しいです。この石は、全体としては、ある程度のまとまりがあるのですが、庇の出がもう少し深く出ると、もう少し良くなる石なのですが、まあ、硬そうな石質を考えると、仕方がありません


 実景の茅舎には、勝手(流れ)などはほとんどありませんが、水石の茅舎になると、勝手(流れ)がでてきます。飾りをする時に、勝手の強弱が微妙に影響してきます。ほとんど勝手の無いものや、逆に勝手の強すぎるものよりも、適度(といっても、実際は少しだけかな)に勝手のあるものが望まれます
 『茅舎三寸』 などと昔から言われていて、茅舎は三寸前後のものが最良とされてきました。これは、三寸くらいのものであれば、自分で愛玩するのにも手頃の大きさであるし、茅舎の使い道として、「盆栽の添えに良い」という概念があったからだと思います。ところが、飾りの研究が進むにつれ、三寸程度のものであれば、小品水石として楽しむことはできても、席飾りの主役として使う場合は、あまりにも小さすぎます。そのため、七寸から一尺程度の大きさの茅舎が、席飾りの主役として使うのにはちょうど手頃な大きさであり、飾りを中心に楽しんでいる人の間では、今までよりも大型の茅舎が珍重されるようになってきました。この石は、大きさが横幅で8寸ほどありますので、主役として使うのには、ちょうど使い頃の大きさです。これくらいの大きさがあれば5〜6尺の床の間に充分主役として飾ることができるサイズです
 また、この石は、茅舎石なのですが、添えを工夫すればお堂の様にも見立てられそうな石ですので、飾りに使える範囲は大きいように思います







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