岩型石といっても、海岸の断崖を現しているものと、山の断崖を現しているものの二つがあります。山の断崖を現している立ち石系統のものは、基本的には滝石と同様に考えて良いと思います。海岸の断崖を表している石については、断崖状のものから荒磯・平磯を現している景色まで、さまざまな形のものがあり、一口ですべてのものを言い現わすことはできませんが、全体の形については島形石と同じように考えて良いと思います
 この石は、立ち石系統の岩形石です。立ち石系統の石では、この石のように。下部が細くて、上部にいくに従って太くなっていくものが形としてはベターで、勝手と逆側の方は押すような形となっていて、勝手側は少しせり出している形の方が、流れが損なわれないので良いです


 もちろん、この様に背の高い石は、厚ぼったい感じがするようではいけませんので、できるだけ薄く細くが原則になりますが、仮に多少厚みがあったり太くてもバランスの良いものであれば、それはそれで、まったく問題はありません


 勝手の左側に 『控え』 の部分を持ってはいますが、この石も、立ち石系統の岩型石です。勝手側・押し側にかかわらず、控えを持つことにより安定感は増していくのですが、こと、立ち石系統に限り、あまりに大き過ぎる控えは、立ち石の持つ魅力を減じてしまう場合も多々あります。この石の場合も、控え部分のボリュームがちょっと有り過ぎで、半分くらいのボリュームの方が、魅力が倍増します


 この石は、2つの「抜け」を持つ典型的な岩形石です。このような屏風岩みたいな感じの岩形石については、やはり、ある程度背の高いものとなりますので、あまり石の厚みがない方が、すっきりとして良いと思います


 上面から見ると、主峰がほぼ中心部分にあることがよくわかります。この石の場合は、もう少し右寄りに主峰が位置した方が、石の流れとしては良くなります


 このような海岸を現す景色の岩形石も、数が多いものの一つです。形は種々様々なものがありますが、やはり全体の形とバランスが問題となります。この石についても、形としては、特に欠点の無い石ですが、残念ながら見所も少ない磯形の石です


 この石は、いわゆる 『雨宿り』 と呼ばれているタイプの石で、せり出しが効いています。石質はあまり良くない土中石ですが、雨宿りの風情が良く表現されています。このような石の場合に注意しなければならないのは、なんといっても 『安定感』 です。右からの押しがあるからといって、むやみやたらと左側に傾けたり、あるいは、せり出し部分のボリュームがあり過ぎると、どうしても安定感に欠けてしまいます。ですから、この石の場合は、もう少し右側に起こして水盤に据えないといけません。このままの状態では、せり出し部分がちょと重すぎることがわかると思います。


 せり出しを持つ雨宿り形で注意しなければいけないのは、この 『せり出し』 部分です。この石は、雨宿り部分に白い石英質を噛んでいますが、基本形は雨宿り型です。せり出し部分については、この石のようにほぼ水平くらいまでが限度で、せり出し部分の角度が水平より下にくるような前記の石では、どうしても重くなりすぎて不安定感を感じてしまいます。それに対してこの石は、せり出しを含めた上部のボリュームは相当のものがあるのですが、あまり不安定感を感じさせません。それは、せり出しの角度が違うからなのです






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