倒  産

 このようなコラムを始めたのは良いのですが、長く続くかどうかわかりませんし、有益な内容を提供できるかどうかわかりませんし、気楽に書いていこうと思っていますので、内容にはあまり期待しないでください
 月に1〜2度くらいは更新していきたいと思っているのですが、それについても、仕事の忙しさの状況如何で変わってきますので、更新頻度が低くなっても、ご容赦ください
 最初のコラムは、先月おきました銀座森前さんの倒産についてです

 4月の終わりに、WABIの発行元である銀座森前が倒産しました。以前から噂をされていた事なので、ついに倒産したかという感じなのですが、このような趣味の世界で、業者さんが消えていってしまうというのは、趣味家の一人として、やはり淋しいことと思っています。石を拾ってくるだけで水石趣味が完結できるのなら、まったく問題はないのですが、水盤や卓などの道具類も必要不可欠な趣味ですので、それらを取り扱う業者さんが減少していくことは、趣味界の縮小ともとれる事でしょう

 森前氏については、竹風園の番頭さん時代から知ってはいるのですが、彼から何一つ買った事もないので、特にこれといった付き合いはなかったのですが、他の世界から盆栽水石界を見ると、森前さんは一流業者の中の一流といっても差し支えないくらい存在だろうと思います
 その森前が倒産したのですから、各方面に何がしらかの影響は出るのではないしょか。倒産といっても、民事再生法の再生手続きをとっているみたいなので、今後も営業は続けていくのかどうかわかりませんが、できれば続けていってもらいたいものです

 森前氏が店を構える時は、一雨会の会員が中心となって、安く品物を提供したり、高価な物を購入したりと、かなりのテコ入れをして順調な船出をし、WABIの雑誌を発刊したりと、活躍していたようにみえたのですが、負債総額は20数億円になりそうということで、我々庶民からすると、想像もつかない額になっていて、再起できるのかどうかわかりませんが、水石・盆栽界のことを考えると、何とか再起してもらいたいと考えているところです

 実は、森前氏の所には、私が欲しい卓があり、この卓の行方を心配しているのも一つの要因です(笑)。この卓は、なかなか良い卓なのですが、なかなか買い手がつかないでいた卓です。価格は20数万円でしたので、半額くらいにでもしてもらえればなんとかなりそうな価格なのですが、ずーっと様子を見ていました。数年ほおっておけば、10数万円台になり、そうしたら買えるかなと甘く考えてました。そうは問屋がおろしてくれませんね(笑)

 とはいえ、実は私と同級生でもあり、自分のこの年で20数億円も借金を背負ってしまう事は、想像もつかないプレッシャーだろうと思っています。私は、ごく普通のヒラリーマンですから、生涯賃金は2億円程度でしょうか。20数億円という金額は、一生どころか十生かかっても返せないだろうという金額です。とはいえ、財産の処分等を進めれば、最終的な額はある程度減少するとは思いますが、簡単に返すことのできない額であろう事は想像に難くありません。商売を続けながら返済をしていくのかどうかはわかりませんが、なんとか立ち直ってもらいたいものです。同年代の人間が、こんなことになってしまうと、他人事は思えず、何とも複雑な気分です



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