2006年10月編

今月の飾り
 2005年10月の研修会より、勉強方法を少し変えてみました。それは、飾りの中で 『一番良い点』 と 『一番悪い点』 を見つけるという方法です。従来の良い点だけを見つけるという方法も、いわゆる「あら探し」になることなく、飾りの良い点が理解できる方法としては適切なのですが、飾りの悪い点を把握していく事も、ミスの少ない飾りを行う上では勉強になるだろうということで、この方法に変えました
 また、その発表方法についても、今までは、各人が順番に良い点を発言していくという方法でしたが、この方法ですと、最後の方に発言する人は、先に発言する人達の意見を耳にしてしまうので、いろいろと迷ってしまう場合もあります。そのため、今回からは、各人がそれぞれに渡された紙に、『一番良い点』と『一番悪い点』を書いて講師に渡し、最後に講師がそれを発表し、勉強をしていくという方法です
天竜川産島型石
志茄埜庵均釉長方水盤
花梨平卓
掛け軸は、秋の嵯峨野図


2点飾り

 今回の飾りは、主石に天竜川の島型石を用い、軸には月の図の2点飾りです。10月の飾りですので、秋を意識した飾りにしてみました。特に、軸が秋の嵯峨野という画題ですので、軸で季節感が充分出ていますので、他で季節感を出すような事は考えておりません。また、軸には樹木が描かれていたため、添え草を置かずに2点飾りにしてあります。厚みが少ない石ですので、短冊の長方水盤を使っていますが、できれば、隅入り・隅切り・大撫で角の水盤に据えたかったのですが、持ち合わせがないもので、この水盤に据えてあります(席主)

そして、集まった結果が次のとおりです

◎一番良い点
全体のバランス・彩りなどが良い
石・水盤・卓が見事に調和している
季節感が良い
石と水盤の調和が良い(この石を短冊水盤に据えたのが素晴らしい)

等の意見が集まりました(複数回答有り)
皆さんは、どのように思われますでしょうか?
せっかくですから、下の正解を見る前に、しばらく考えてみてください。


◆ 正解 ◆
『一番良い点』については
 今回の飾りは、主飾り(石・水盤・卓)も良いし、全体の雰囲気も良いのですが、やはり一番良い点となると、主飾りになります。主石は飛びぬけて良いというほどではないのですが、水盤・卓とのバランスが良く、ただバランスが良いというだけでなく、一定のレベルを超えている良さがあります。取り合わされている道具も良いですし、品格も感じられる飾りとなっているのが一番良い点です

『悪い点』については
 今回の飾りで目立った悪い点は、基本的にはありません。もちろん、主石をもっと良い物に変えたり、水盤を良い物に変えるなどすれば、さらに良い飾りにはなりますが、それでは、まったく技術の上達にはなりませんし、研究している意味がなく、あら探し的になってしまいます
 画像からだけではわかりにくいと思いますが、悪い点をしいて挙げるとすれば、石の据え位置ということになります。据え位置を微妙に動かしてやると、さらに良い飾りになります。動かす位置は手前に1cm右に1.5cmくらいという微妙な据え位置で、本当にわずかですが、これだけ動かすと、さらに良くなります






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