2006年9月編

今月の飾り
 2005年10月の研修会より、勉強方法を少し変えてみました。それは、飾りの中で 『一番良い点』 と 『一番悪い点』 を見つけるという方法です。従来の良い点だけを見つけるという方法も、いわゆる「あら探し」になることなく、飾りの良い点が理解できる方法としては適切なのですが、飾りの悪い点を把握していく事も、ミスの少ない飾りを行う上では勉強になるだろうということで、この方法に変えました
 また、その発表方法についても、今までは、各人が順番に良い点を発言していくという方法でしたが、この方法ですと、最後の方に発言する人は、先に発言する人達の意見を耳にしてしまうので、いろいろと迷ってしまう場合もあります。そのため、今回からは、各人がそれぞれに渡された紙に、『一番良い点』と『一番悪い点』を書いて講師に渡し、最後に講師がそれを発表し、勉強をしていくという方法です
奈良井川産島型石
九輪青磁釉長方水盤
花梨机卓
掛け軸は、案山子の図


添えはイグサ


3点飾り

 今回の飾りは、主石に奈良井川の島型石を用い、軸には案山子の図、添えには洋種のイグサを用いての3点飾りです。9月末の飾りですので、かなり秋を意識した飾りになります。今回は島型石を主石にし、軸の案山子で秋の季節感を出したので、添え草には季節感の無いイグサを添え、緑の持つ柔らかさを添え、飾りに彩りと優しさを出してみました。全体的には落ちついた雰囲気にするつもりでしたが、青磁の色が少し強かったかなと感じています(席主)

そして、集まった結果が次のとおりです

◎一番良い点
季節感が良い
石・水盤・卓が見事に調和している
水盤と卓が良く調和している
添えの草姿が良い
全体のバランスが良い

等の意見が集まりました(複数回答有り)
皆さんは、どのように思われますでしょうか?
せっかくですから、下の正解を見る前に、しばらく考えてみてください。


◆ 正解 ◆
『一番良い点』については
 今回の飾りで、一番良い点は主石と卓です。石と卓が良いとは、ちょっとわかりにくいと思われますが、石・水盤・卓という主飾りにおいて、この飾りは長方の水盤を使っているが、この石は、石に立ち上がり部分が少しあり、この部分が水盤の長方とダブってしまうところがあるので、楕円に飾りたい石です(長方でも駄目ではないが、楕円の方が良い)。そのため、石と卓が良いということになります。これで楕円の水盤が使ってあれば主飾りとしては満点です

『一番悪い点』については
 今回の飾りで一番悪い点は、添え草です。添え草といっても草の種類や草姿が悪いわけではなく、使っている鉢が良くないということです。その理由は、天突きの草に碗型の鉢では、あまり似合わないということと、釉は白釉でありますが、白磁にも見えてしまい、主飾りの青磁色とそれほど差が感じられなくなってしまうため、できれば釉調は白磁に見えないようなものが良いということです
 ちょっと厳しすぎる意見になってしまうかもしれませんが、軸や添え物については、一緒に飾った時に主石の足を引っ張ってしまうものでは良くないという、かなり高次元のレベルでの意見であり、実際、この草を使ったからといって、飾り全体が駄目になってしまうというほどではなく、さらに良くするためには鉢を換えた方が良いというレベルの話です。落ちついた色調の浅い平鉢にでも植えてあれば、さらに良いものになる・・・・ということだけです






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