2004年6月編


  今月の飾りは、この飾りです



・主 石  滝石(釜無川産石)
・水 盤  織部釉外縁楕円水盤 
・卓    斑竹平卓
・掛け軸  カワセミ
・添え草  ヤマモミジ


●席主曰わく

 梅雨の鬱陶しい時期になってきましたので、少しでも清涼感を感じることができるように滝石とカワセミの軸を取り合わせてみました
 添え草は、滝石に似合うようにと、ヤマモミジの懸崖を使いたかったのですが、まだ養成中のため、写真のように斜幹風なものになってしまいました。
展示会が終わったばかりで、忙しくて時間もなかったので、そのときに出品したもの(卓・水盤)を利用して、石だけを変えてきたという、ちょっと簡単に済ませてしまいました


ということでした
次に、研究会で研究しあったことは、概ね次のとおりです

□席主からの発言については
・蒸し蒸ししだしたこの時期に、滝石とカワセミが醸し出す清涼感は、単純ではありますが、なかなか良い飾りと思われる
・滝石の添えに、斜幹はあまり似合わないが、席主の意図するところは感じることができます。しかし、斜幹では滝の景色とあまり合わないのではないかと思われる
・卓、水盤、石のバランスを見ると、やや水盤が負けているように感じ、この石の大きさなら、もう少し広めの水盤の方が良いかもしれないと思った


□その他の意見として
・主石、添え、軸と席全体のバランスを見ると、軸を飾る高さが少し高い位置にあるように思え、石とのバランスが悪いように思える。もう少し軸を低い位置にした方が良いと思われる
・添え草を置く位置が、少し前過ぎではないか? 鉢の厚み(深さ)があるために、多少の圧迫感を感じてしまい、もう少し奥に置いた方が良いのではないかと思った
・本日、飾りを行う当番であるということは、一ヶ月前にわかっているのだから、いくらでも時間はあったはずで、もう少し事前の準備を整えておいた方がよいのではと思った



などの意見がでました

□まとめとしては
 季節感については、滝石・斑竹の卓・織部釉などで充分表現されていて、臨場感についても、カワセミやヤマモミジを用いることで、景色も十分に表現されている
 ただし、各々の配置のバランスがちょっと悪く、掛け軸はもう少し低い位置に掛け替えた方が良く、添え草ももう少し奥目に置いた方が良いだろうということになりました
 特に今回は、滝石にあわせる添え草のことについて研究を行いました。その結果、滝石に合う添え草は、マツやモミジの半懸崖が一番合うだろうと言うことになり、次がシダ類です。他の草ものは、ほとんど使いもにならないだろうという感じです
 マツやモミジの半懸崖樹でも、幹が太くゴツく感じるものだと、添えばかりが目立ってしまうので、あくまで細く・古く・軽やかな動きを感じさせるものが最良だということになりました




こちらは、主石です


            

掛け軸                               掛け軸のアップ




添え草です 



□その他
 今回は、滝石にあわせる添え草の勉強を行ったのですが、添えについては、皆さん苦労しているようで、今回の席主も、滝石に使おうと2年前からヤマモミジの半懸崖を養成しているそうなのですが、家で養成している時は、太い針金を掛けているので、半懸崖樹形が維持できているが、太い針金だと席に使えないので、針金をはずしたら元の斜幹風な樹形に戻ってしまい、だいぶ困っているようでした。かといって、太い針金を掛けたまま席に使うわけにもいかず、難しいものです
 半懸崖樹を植える鉢についても、厚みの選択が難しく、あまり厚めのものではボテッとしてしまいますし、さりとて薄鉢では、半懸崖の樹形に合わないし、ちょうど良い鉢を探すことも、重要な事であると思いました

 左の写真が、研修会風景の一コマです。これは、添え草の置く位置を微調整しながら、全体のバランスを見ているところです。このような感じで、研修を行なっています





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