2004年1月編




 今月の飾りは、この飾りです

・主飾り   御 堂
・掛け軸   ふくら雀


 今回の研究会については、用事があったもので遅刻をしてしまい、飾りについての席主の考えや会員の感想等は聞くことができませんでしたので、今回は私の感想だけを述べてみることにします

 まず、席全体に関する感想ですが、今は大寒を迎えて一番寒い時期にあたりますので、御堂に雪の中の雀の軸を取り合わせていることは、季節感と臨場感がほどほどに現されているように思えます。また、添えを置かずに2点での飾りとなっていますが、2点だけでも「お寺の庭か寺社林の中で雪の寒さに震えている雀」の景色は充分表現されているように思えました
 主役の御堂については、卓を用いることなく厚めの地板(輪切り)に飾ってあり、ちょっと変わった取り合わせがしてあり、なかなかの発想ではないかと思っています。通常このような御堂を飾る時には、平卓か薄めの地板が多いのですが、このように厚目の地板に飾ることによって、御堂だけが浮いた感じにならず、厚めの地板と相まって「小高い丘の上にあるお寺の景色」さえも感じさせるように思え、取り合わせとしてはなかなかのものだと思っています。特に地板は薄いものが主力となっていますが、このような厚い地板でも、その使い方によっては充分活きてくるという好例だと思います
(このように厚い地板を利用した飾りについては、前々からいつかはやってみようと考えていたのですが、先を越されてしまいました)

 ただ、主役の御堂の大きさが少しだけ気になるところです。一間床で床の間の主役を飾るには少々小さいように感じられてしまいます。普通は、大きすぎると窮屈になりどうしようもなくなってしまい、小さいものの方が床の間を広く使えて、景色が雄大に見えるので、ちょうど良い大きさから少し小さいくらいのものが飾った時に見栄えがして良いのですが、それにしても、今回の場合は、少し小さすぎるかなという印象です。恐らく四尺床くらいでしたらベストだったでしょう。軸とのバランスを考えても、主役の大きさが少し小さすぎると思えてしまいます

 今回の飾りは御堂と軸の二点でしたが、これに添えを置くとすると、みなさんはどのようなものが良いと思われますか?
 主役は鋳物の御堂ですので、銅や鋳物のものは使うことができません。また、軸は雪が降っている景色ですので、草物の添えも絵との関連性を考えると、使うことはためらわれてしまいます。ということは、陶磁器・木製品・石で作られたもので、なおかつ、景色と合うものであれば使えることになり、三点飾りとすることができます。具体的には、お寺と関係するような灯籠・蹲い等、軸との関連で小さな鳥籠などが使えそうな感じです




 この写真は、主役である御堂です。もう少し大きさがあれば良いのですが、こればかりは欲を言っても仕方がありません。小さい床の間で使いたいところです




 この写真は軸です。雀の絵自体は少々甘いと思うのですが、「竹+雪+雀」や「南天+雪+雀」などのようにありきたりの画題ではなく、枝垂れの樹に雪と雀ということで、このような厳寒時の飾りに使うのに面白そうな軸となっています。本当は雀がいない方が使用使途は多そうです




研修に戻る

戻 る





SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送