2003年9月編




 今月の飾りは、この飾りです
・主木    ヤマガキ
・掛け軸   吊り灯籠
・添え    井戸側


●席主曰く
 中秋の雰囲気を、柿の木を主役として、田舎の農村風景を連想しながら表現した
 一間床で、この柿の木のサイズだと、主木が少し小さい感じがしている
 柿の木の根本が、少し盛り上がりすぎているのではないか
 添えのサイズが、少し大きい感じがする
 柿の木の地板が、少し薄すぎるのと大きいのではないか

ということでした

研究会で、研究しあったことは、概ね次のとおりです
席主からの発言については
・中秋の雰囲気を、柿の木を主役として、田舎の農村風景を連想しながら表現した
 これについては、まったく問題はなく、良い飾りです
・一間床で、この柿の木のサイズだと、少し小さい感じがしている
 写真でもわかるとおり、一間床でも充分耐えられる大きさであります。床の大きさに比べ大きめだと、窮屈な感じを受けてしまい、良く見えることはないのですが、多少小さめくらいだったら、気にならないからOK
・柿の木の根本が、少し盛り上がりすぎているのではないか
 席主曰わく、山取のゴボウ根の処理ができずに、このようになってしまった・・・そうです
やはり、鉢から上に盛り上がっている部分は気になります。半分くらいの高さで調節できれば、問題もなくなるのでは・・・・と希望
・添えのサイズが、少し大きい感じがする
 今回の席は、実景に近いものが演出されているので、この大きさでも席全体の邪魔をしているとは思えない。また、少し後ろに下げて飾っていることも、席主の腕(技術)を感じることができます
・柿の木の地板が、少し薄すぎるのと大きいのではないか
 主木の高さや、鉢の大きさから単純に比較すると、やや大きめのようにも感じられますが、地板が薄いため、調和はとれているだろうとの結論です。これで、もう少し厚め(2倍ほどの厚み)の地板を用いるのであれば、一回り以下の大きさでちょうど良いだろうと・・・

というよな論議でした。結論は、ほぼ満点に近い飾りであろうということです

また、個別には、次のような意見が出ました
・柿の実は5つでは、多すぎるのではないか?
 2つがベストだろうということになりました。このような場合、3・5・7などの奇数にこだわる人もたくさんいて、3つくらいが良いだろうと思っている人もたくさんいると思いますが、3つというと、いかにも作った数字ということになりかねないので、1つか2つの方がさりげなくて良いだろうということで、2つが「夫婦・親子」ということも想像させる数字なのでベストだろうということです
・添配の向きを変えてみたらどうか?
 正面から見ると、右に蕗がみえてしまうので、この位置で良いだろうと
・主木の位置を少し内側にしたらどうか?
 3センチほど動かした方が良いかもしれない
等々でした

 人によっては、主木である柿の木がたいした木ではないのではないか?・・・と思われる方もあるとは思いますが、そのようなことは、席全体が醸し出す妙味ということから総合的に考えると、たいした問題ではなく、まずは、席全体の調和を考えると、飾りとしては良い飾りであるとの評価になります。これで、もっと立派な山柿であれば、さらに点数はプラスされることになります

 この飾りを、最高の飾りにするためには、掛け軸か添配を何かに換えれば最高の飾りなる!・・・というのが、実は最終の結論でした
 これは、どのようなことかと言いますと

主役=山柿=
掛け軸=吊り灯籠=
添配=井戸側=

 3つのものが『静』で構成されているため、席に動きが感じられません。このような場合は、掛け軸に季節にあった鳥や昆虫などの生き物を飾るか、添配に鳥や昆虫などの生き物を飾ることにより、席全体に動きが表現されることになりますので、3つが静ではいけないということではありませんが、どれか一つに動(生物)のものを取り入れると、席の躍動感が増し、さらに良くなるだろういうことです

 このようなことを、常に考えていくことが飾りの勉強になります



これが、主木のヤマガキです



これが掛け軸です



こちらは添配です




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