2008年9月編

今月の飾り
 2005年10月の研修会より、勉強方法を少し変えてみました。それは、飾りの中で 『一番良い点』 と 『一番悪い点』 を見つけるという方法です。従来の良い点だけを見つけるという方法も、いわゆる「あら探し」になることなく、飾りの良い点が理解できる方法としては適切なのですが、飾りの悪い点を把握していく事も、ミスの少ない飾りを行う上では勉強になるだろうということで、この方法に変えました
 また、その発表方法についても、今までは、各人が順番に良い点を発言していくという方法でしたが、この方法ですと、最後の方に発言する人は、先に発言する人達の意見を耳にしてしまうので、いろいろと迷ってしまう場合もあります。そのため、今回からは、各人がそれぞれに渡された紙に、『一番良い点』と『一番悪い点』を書いて講師に渡し、最後に講師がそれを発表し、勉強をしていくという方法です
富士川産滝石
信楽瑠璃釉楕円水盤
花梨平卓
掛け軸は川蝉の図


添えは糸ススキと箱根菊


3点飾り


  今月の飾りは、富士川産の滝石を主役にした飾りです。この石を瑠璃釉の楕円水盤に据え、平卓と取り合わせています。掛け軸は川蝉の図で、添えには糸ススキと箱根菊の寄せ植えを配した3点飾りとなっています

 今回は富士川産の滝石に川蝉の軸を掛けて、添えには屋久島ススキとと箱根菊の寄せ植えを使ってみました。富士川の石については蒼龍よりも柔らかい質の石ですが、色調はかなり濃くなっています。添えの箱根菊は季節感を出そうと思って使いました。よろしくお願いいたします(席主)・・・との事でした

そして集まった意見は次のとおりです

◎一番良い点
・石が良い
・石、軸、添え草の取り合わせが良い
・全体の大きさのバランスが良い
・石、水盤、卓とのバランスが三位一体となっていて良い
・季節感があって良い

◎気になる点
・水盤が少し小さすぎるのでは
・石の振りを少し直した方が良いのではないか(右を奥に)
・主飾りが少し左(端)に寄りすぎではないか
・添えの位置が少し手前に出すぎではないか

等の意見が集まりました(複数回答有り)
皆さんは、どのように思われますでしょうか?

◆ 正解 ◆

『一番良い点』については
 今回の飾りで一番良いのは石と水盤のバランスです。石に対して大きさ・深さ・色彩(瑠璃釉)など、ピッタリと合っています

『一番気になる点』については
 今回の飾りで、一番良くないところは席全体のバランスです。主飾りも内側に寄りすぎですし、添えを置く位置についても、やや手前に出過ぎています。一品一品はまったく問題はなく良いのですが、それぞれを置く位置にもう少し配慮が必要でした

 石・水盤とのバランスが良いだけでなく、もちろん卓も合わせたバランスも結構良いです。もう少し薄目の天板が使ってある卓を使えば、さらに良くなる飾りでした(現在の飾りでも、まったく問題はないのですが、天が薄いのを使えばさらに良くなるという事だけです)。添え草に正方鉢を使ったのは良かったのですが、鉢が厚いので、少し重く感じてしまいますので、半分くらいの厚みの物にすると、添えもグンと良くなるでしょう

 通常添え草は単鉢(一種類)で作られる事が多く、寄せ植えを使うのは珍しいケースです。単鉢で作るのは、添えをあまり強くさせたくないからで、賑やかな寄せ植えになってしまいますと、主役よりも添えの方が勝ってしまうからなのです

 そのため、できるだけシンプルな単鉢を使いますが、寄せ植えでも絶対にダメというわけではなく、2〜3種類程度で、一体感があってうるさくない物に仕上げる事ができれば、水石の添えにも充分使う事ができます。今回の添えは2種類の寄せ植えになっていますが、石もボリュームがありますので、充分使える範囲の物になっています 

 久しぶりの滝石ですが、正面からの撮影では滝の様子がわかりにくいかと思いますので、今回は上部から撮影してみました。その写真が  こちら  です。滝部分は石灰分ではなく、石灰と石英が混じったような感じで、白さが引き立つと言うほどではありませんが、これくらいでも充分鑑賞価値はあります




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