2008年5月編

今月の飾り
 2005年10月の研修会より、勉強方法を少し変えてみました。それは、飾りの中で 『一番良い点』 と 『一番悪い点』 を見つけるという方法です。従来の良い点だけを見つけるという方法も、いわゆる「あら探し」になることなく、飾りの良い点が理解できる方法としては適切なのですが、飾りの悪い点を把握していく事も、ミスの少ない飾りを行う上では勉強になるだろうということで、この方法に変えました
 また、その発表方法についても、今までは、各人が順番に良い点を発言していくという方法でしたが、この方法ですと、最後の方に発言する人は、先に発言する人達の意見を耳にしてしまうので、いろいろと迷ってしまう場合もあります。そのため、今回からは、各人がそれぞれに渡された紙に、『一番良い点』と『一番悪い点』を書いて講師に渡し、最後に講師がそれを発表し、勉強をしていくという方法です
奈良井川産溜まり石
志那埜庵瑠璃釉長方水盤
花梨薄平卓
掛け軸は紋黄蝶の図


添えは六角堂


3点飾り


 今月の飾りは、奈良井川産の溜まり石を主役にした飾りです。この石を瑠璃釉長方の水盤に据え、薄い平卓と取り合わせています。掛け軸は紋黄蝶の図で、添えには六角堂を配した3点飾りとなっています

 今回は初夏らしく少し涼しげな飾りを心がけようと、奈良井川産の薄溜まり石を主役に飾ってみました。軸は紋黄蝶の軸を掛け、添え草でも置こうかと思ったのですが、それではあまりに普通の飾りになってしまいますので、今回は少し渋い飾りになるよう、添えをあえて六角堂にしてみました。水盤がやや大きめで少し深くなっています。本来ならばもう少し浅い銅盤などを使いたかったのですが、持ち合わせがありませんのでこの水盤を使いました(席主)・・・との事でした

そして集まった意見は次のとおりです

◎一番良い点
・主飾りにおける石・水盤・卓のバランスが良い
・主飾りが良い
・石と水盤のバランスが良い
・季節感が良い
・石が良い

◎気になる点
・水盤が少し強すぎる(広すぎる)のでは
・軸の位置が真ん中にきてしまっているので、上下どちらかにずらした方が良いのでは
・六角堂よりも草物の添えの方が良いのでは
・主飾りの位置がやや奥目なので、もう少し手前に出した方が良いのでは

等の意見が集まりました(複数回答有り)
皆さんは、どのように思われますでしょうか?

◆ 正解 ◆

『一番良い点』については
 今回の飾りで一番良いのは石の据え方で、長方水盤に合わせたと言う事と、この水盤に対し適切な位置にキチンと据えられているのが一番良いところです

『一番気になる点』については
 水盤の大きさ(広さ)です。石が薄く弱い石ですので、水盤の方が勝ってしまい石が弱くなってしまっているのが、一番良くありませんでした。もう一寸狭い水盤くらいがちょうど良いです

 この石は起伏の少ない平石ですので、どうしても弱くなってしまい、この大きさの水盤では持て余してしまっています。もう少し狭い水盤に据えると、さらに良くなり、現状ではやや広すぎです。この手の草体の石については、洒落た道具使いが重要になり、道具立てに注意して飾る事が大事です

 また、添えについては六角堂(実際は仏舎利かもしれません)みたいな物よりも、蝶の軸との取り合わせを考えると、やはり添え草の方が良さそうで、添配を置くのなら浮御堂みたいな水上に浮かぶタイプの方が良いです。ちなみに  こちら  が添えを草に変えた飾りで、添え草については紅チガヤの根洗いです。席全体は優しくなっています




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