2008年1月編

今月の飾り
 2005年10月の研修会より、勉強方法を少し変えてみました。それは、飾りの中で 『一番良い点』 と 『一番悪い点』 を見つけるという方法です。従来の良い点だけを見つけるという方法も、いわゆる「あら探し」になることなく、飾りの良い点が理解できる方法としては適切なのですが、飾りの悪い点を把握していく事も、ミスの少ない飾りを行う上では勉強になるだろうということで、この方法に変えました
 また、その発表方法についても、今までは、各人が順番に良い点を発言していくという方法でしたが、この方法ですと、最後の方に発言する人は、先に発言する人達の意見を耳にしてしまうので、いろいろと迷ってしまう場合もあります。そのため、今回からは、各人がそれぞれに渡された紙に、『一番良い点』と『一番悪い点』を書いて講師に渡し、最後に講師がそれを発表し、勉強をしていくという方法です
犀川産山型石
銅楕円水盤
斑竹象眼花梨平卓
掛け軸は小禽の図


添えは蕗の薹


3点飾り


 今月の飾りは、犀川産の山型石を主役にした飾りです。この石を楕円の銅盤に据え、斑竹が象眼された花梨の平卓と取り合わせています。掛け軸は小禽の図で、添えには蕗の薹を配した3点飾りとなっています

 今回は犀川か奈良井川、どちらか忘れてしまいましたが、この山型石を飾ってみました。軸は小鳥の図を掛け、添えは蕗の薹(ふきのとう)です(席主)・・・との事でした

そして集まった意見は次のとおりです

◎一番良い点
・石が素晴らしく良い
・石、水盤、卓とバランスが取れていて良い
・添えの蕗の薹が、季節感といい草姿といい良い
・主飾りと添えとのバランスと季節感が良い
・飾りが静(石・添え)と動(小鳥)で構成されていて動きがあって良い

◎気になる点
・軸の掛け位置をもう少し下にしたらどうか
・添えが少し大きめではないか
・水盤が少し小さめなのでは
・添えの位置が少し奥過ぎるので、もう少し前にしたらどうか
・卓が少し小さいのでは

等の意見が集まりました(複数回答有り)
皆さんは、どのように思われますでしょうか?

◆ 正解 ◆

『一番良い点』については
 今回の飾りで一番良いのは、この時期の季節感が蕗の薹で現されているて、季節感が良いのが一番です

『一番気になる点』については
 水盤が窮屈すぎるというのが一番良くありません。この石の場合、右裾がかなり延びのある石で、右へ流れる力の働きが結構感じられる石です。それなのに、石と水盤の間が少ないので、すぐに流れが遮断されてしまい、石の流れが止まってしまいます。これでは、流れのある石を活かすことができていませんので、もう少し広めの水盤を使わなければならなかったというのが最大の欠点です

 席主は、この石を山型石として飾りましたが、島型として飾ることも考えていたようです。この石と添えに、掛け軸を「静波」にしたらどうかとも考えていたようですが・・・・・山型と島型が兄弟とは言え、これだけシンプルな景状で長く裾を引いていますと、島型として見るのには、ちょっと難しいかもしれません

 席主はこの石を犀川か奈良井川のどちらかということでしたが、川擦れの状況から見ても犀川だろうと思いますので犀川石としました

 蛇足ではありますが、掛け軸の小禽図について少し触れてみます。日本産の鳥ならほぼ全てを知っている私でも、この鳥が何かを特定することができませんでした。飛翔する姿は鶺鴒にも似ていますし、構図的には時鳥か雲雀という感じになるのですが、この3種とも違いますし、私が知っている約500種のどれにも該当しません。恐らく描かれた画家の方が、適当に何かをイメージして描いたものではないかと思われます




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