2007年12月編

今月の飾り
 2005年10月の研修会より、勉強方法を少し変えてみました。それは、飾りの中で 『一番良い点』 と 『一番悪い点』 を見つけるという方法です。従来の良い点だけを見つけるという方法も、いわゆる「あら探し」になることなく、飾りの良い点が理解できる方法としては適切なのですが、飾りの悪い点を把握していく事も、ミスの少ない飾りを行う上では勉強になるだろうということで、この方法に変えました
 また、その発表方法についても、今までは、各人が順番に良い点を発言していくという方法でしたが、この方法ですと、最後の方に発言する人は、先に発言する人達の意見を耳にしてしまうので、いろいろと迷ってしまう場合もあります。そのため、今回からは、各人がそれぞれに渡された紙に、『一番良い点』と『一番悪い点』を書いて講師に渡し、最後に講師がそれを発表し、勉強をしていくという方法です
犬上川産山型石
春松緑釉長方水盤
竹象眼花梨卓
掛け軸は、旭日の図


添えは茅舎


3点飾り


 今月の飾りは、犬上川産の山型石を主役にした飾りです。この石を春松の緑釉長方水盤に据え、竹が象眼された花梨卓と取り合わせています。掛け軸は旭日の図で、添えには茅舎を配した3点飾りとなっています

 今回は産地がわかりませんが山型石を飾ってみました。正月飾りですから軸は日の出の図を掛け、添えには茅舎を置いてみました。山の向こうに海が見え、そこにある小さな庵でお茶を飲みながら、日の出を眺めている・・・そのような景色を想像しながら、この飾りをしてみました、皆さんのご批評をお聞かせください(席主)・・・との事でした

そして集まった意見は次のとおりです

◎一番良い点
・全体のバランスが良かった
・正月の季節感が良かった
・旭日の赤が色彩的なバランスも良いし、正月らしさがあって良い
・床の間を目一杯広く使っているのが良い

◎気になる点
・軸の掛け位置をもう少し下にしたらどうか
・卓をもう少し低くしたらどうか
・山型で飾るよりも島型として見た方が良いのでは
・卓が少し小さいのでは
等の意見が集まりました(複数回答有り)
皆さんは、どのように思われますでしょうか?


◆ 正解 ◆

『一番良い点』については
 今回の飾りは、正月としての季節感が良いのが一番です

『一番気になる点』については
 添えの地板使いです。茅舎や人物などを添えとして使う場合、地板は使わない方が良いです。ましてや、この茅舎は足が長いため水上に浮かぶ茅舎ですので、地板の上に置いてしまいますと、一層の違和感を感じることが多いため、地板を外すということが正解です

 細かい点では、やや卓が小さすぎるということと、茅舎の正面が違っていたということもありますが、地板を外すことが最大の欠点でした

 席主は、この石を山型石として飾りました。山型と島型は兄弟みたいなものなので、どちらで飾っても良いのですが、この石の場合は、山型よりも島型として見た方が自然らしくて良いのではという意見も多数ありました。確かに、石の動きや変化を見ていますと、島型の方が自然らしく見えますし、島型+旭日(波付き)の方が自然ですね。席主から説明があるまでは、私も「島にある海の見える庵で、お茶を一服」だと思っていました
また、席主はこの石を産地不詳ということで飾りましたが、犬上川か小沢川か迷いましたが、ほぼ犬上川で間違いないだろうと言うことで犬上川石としました




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