2007年10月編

今月の飾り
 2005年10月の研修会より、勉強方法を少し変えてみました。それは、飾りの中で 『一番良い点』 と 『一番悪い点』 を見つけるという方法です。従来の良い点だけを見つけるという方法も、いわゆる「あら探し」になることなく、飾りの良い点が理解できる方法としては適切なのですが、飾りの悪い点を把握していく事も、ミスの少ない飾りを行う上では勉強になるだろうということで、この方法に変えました
 また、その発表方法についても、今までは、各人が順番に良い点を発言していくという方法でしたが、この方法ですと、最後の方に発言する人は、先に発言する人達の意見を耳にしてしまうので、いろいろと迷ってしまう場合もあります。そのため、今回からは、各人がそれぞれに渡された紙に、『一番良い点』と『一番悪い点』を書いて講師に渡し、最後に講師がそれを発表し、勉強をしていくという方法です
奈良井川産山型石
志那埜庵瑠璃釉袋式水盤
縞黒平卓
掛け軸は、月に静波の図


添えはヤマブドウ


3点飾り


 今月の飾りは、島型(山型)石を主役にした飾りです。この石を志那埜庵の瑠璃釉袋式水盤に据え、紫檀の平卓と取り合わせています。掛け軸は「月に静波」の図で、添えにはヤマブドウを添えた3点飾りとなっています

 今回も仕事の都合で出席するのが遅くなってしまい、勉強会の様子をルポする事ができませんでしたので、簡単に感想を述べさせて貰うことにします

 今回の主石は、写真のとおりの非常に丈の高い島型石です。これだけ丈があって整っている山型石は、そうあるものではなく面白い石です。展示会へでも出せば一番目立つ石となると思わせるくらいの石です

 その石を袋式の水盤と紫檀の平卓と取り合わせていて、軸は一番合いそうな月の軸という、このような系統の石を飾る時に見本となるような飾りになっています。このようなシンプルな形状の立ち石には、丸い月が構図上も非常に良く似合い、単純な景色ではありますが、奥ゆかしさすら感じることができます。ちなみに、今回の軸は波が書かれていますので、この石は山型ではなく、海に浮かぶ島型ということで席主は飾っているはずです

 添えのヤマブドウは、季節感を出すものとして添えられたもので、わずかに紅葉しているのが、秋を予感させるものとして使われています

 この飾りで、思わず唸ってしまうのは、何と言っても主飾り部分です。袋式の水盤は想像以上に強い水盤で、力強い滝石とか岩型などに良く合う水盤なのですが、このようなシンプルな形状の石に合わせてしまうという事と、それを薄い平卓と組み合わせて、全体を調和させているのは、なかなかできることではありません

 こうして写真で見てしまうと、別にたいしたことではない・・・と思われる方も多いと思いますが、実はなかなかできることではなく、かなり高度な技術を持っていなければできない取り合わせです。道具類など、それほどたいしたものではありませんが、このような飾りは「技の飾り」とか「大人の飾り」というような感じで、わかる人が見ると、思わず唸りたくなる飾りになるのです

 みなさんは、唸ることができましたか?

 たとえ、「ほぉ・・・」っとでも感心された方は、かなり上達している人だと思います

 ちなみに、パッと見では水盤が少し小さめに見えてしまいますが、深めの水盤や胴に強い装飾のある水盤、あるいはこのような袋式の水盤は想像以上に強い水盤でして、これくらいの大きさのバランスでも充分調和しています




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