2007年9月編

今月の飾り
 2005年10月の研修会より、勉強方法を少し変えてみました。それは、飾りの中で 『一番良い点』 と 『一番悪い点』 を見つけるという方法です。従来の良い点だけを見つけるという方法も、いわゆる「あら探し」になることなく、飾りの良い点が理解できる方法としては適切なのですが、飾りの悪い点を把握していく事も、ミスの少ない飾りを行う上では勉強になるだろうということで、この方法に変えました
 また、その発表方法についても、今までは、各人が順番に良い点を発言していくという方法でしたが、この方法ですと、最後の方に発言する人は、先に発言する人達の意見を耳にしてしまうので、いろいろと迷ってしまう場合もあります。そのため、今回からは、各人がそれぞれに渡された紙に、『一番良い点』と『一番悪い点』を書いて講師に渡し、最後に講師がそれを発表し、勉強をしていくという方法です
姫川産山型石
鴻陽瑠璃釉撫で角水盤
縞黒檀算木中卓
掛け軸は、月に群雲の図


添えは斑入りギボシ


3点飾り


 今月の飾りは、山型石を主役にした飾りです。この石を鴻陽の瑠璃釉撫で角水盤に据え、算木の中卓と取り合わせています。掛け軸は「月に群雲(むらくも)」の図で、添えにはギボシを添えた3点飾りとなっています

 今回は姫川産の山型石を飾ってみました。時期的にも月の軸が良いのではないかと思い、月の軸を掛け、添えは適当な物が浮かばなかったので、斑入りのギボシを添えた3点飾りです。ちょっと水盤が厚めかなと思っているのですが、皆さんのご批評をお聞かせください(席主)・・・との事でした

そして集まった意見は次のとおりです

◎一番良い点
・水盤に石を据えた石の振りが抜群に良い
・季節感が良かった
・石と他の道具類との取り合わせが、季節感を表していて良い
・石、水盤、卓が三位一体となっていて良い

◎気になる点
・軸の掛け位置が少し下すぎる
・主飾りが少し内に入りすぎているので、もう少し外に持ってくる
・添え草がイマイチ良くない、特に色彩と地板が良くない
等の意見が集まりました(複数回答有り)
皆さんは、どのように思われますでしょうか?


◆ 正解 ◆

『一番良い点』については
 今回の飾りは、山型石・月の軸と、十三夜・十五夜を控えた時期としての季節感が良いのが一番です

『一番気になる点』については
 飾り全体の雰囲気については、季節感も景色感も良いのですが、気になる点が3点あります。1点目は、添え草で、ギボシ自体は悪くないのですが、植えてある鉢が合っていませんし、何よりも地板が狭すぎて良くありません。もう少し薄い物で広めのものに飾れば良かったでしょう

 2点目は、主飾りの置く位置です。長めの軸と取り合わせてあるため、主飾り部分に軸が架かってしまっています。これがちょっと見苦しい原因となっていますので、主飾りを少し右に、添えを少し左に置くようにし、床を目一杯広く使うと良くなります

 3点目は、軸の掛け位置です。長めの軸で、やや下げて掛けてありますので、2点目で指摘したように、主飾りとかぶってしまっています。掛け軸は、床の間においては、重要なアイテムですから、あまり粗末に扱う事はできませんので、主飾りとかぶってしまうことは避けなければなりません。ですから、一番上に掛け直し、主飾りとかぶる事を避けなければなりません

 と3点ほど、あまり上手くない点がありましたが、掛け軸と主飾りがかぶってしまうという事においては、2点目・3点目は同じ事かましれません。こののことは飾りの基本的な事項でありますから、「主飾りと掛け軸がかぶってしまっている」事が一番良くない事になります。この点は、席飾りをしない人には無縁の事と思う方もいるかとは思いますが、鑑賞する場合もちょっとしたポイントになりますので、覚えておいても良いと思います

 とりあえず、指摘された3点を直した飾りが  こちら  です。写真では、それほど違いがわからないかもしれませんが、目の前で飾りを見ますと、圧倒的に良くなっているのがわかります




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