2007年7月編

今月の飾り
 2005年10月の研修会より、勉強方法を少し変えてみました。それは、飾りの中で 『一番良い点』 と 『一番悪い点』 を見つけるという方法です。従来の良い点だけを見つけるという方法も、いわゆる「あら探し」になることなく、飾りの良い点が理解できる方法としては適切なのですが、飾りの悪い点を把握していく事も、ミスの少ない飾りを行う上では勉強になるだろうということで、この方法に変えました
 また、その発表方法についても、今までは、各人が順番に良い点を発言していくという方法でしたが、この方法ですと、最後の方に発言する人は、先に発言する人達の意見を耳にしてしまうので、いろいろと迷ってしまう場合もあります。そのため、今回からは、各人がそれぞれに渡された紙に、『一番良い点』と『一番悪い点』を書いて講師に渡し、最後に講師がそれを発表し、勉強をしていくという方法です
球磨川産山型石
均釉長方水盤
斑竹象眼箱卓
掛け軸は、滝の図


添えは紅チガヤ


3点飾り


 今月の飾りは、夏らしく剣山を主役にした飾りです。この石を角山作の均釉水盤に据え、斑竹が象眼された箱卓と取り合わせています。掛け軸は「滝」の図で、添えには紅チガヤを添えた3点飾りとなっています

 初めての床飾りになるため、ちょっと緊張しています。まだ、慣れていませんし上手に飾る事ができるかどうかわかりませんが、このとおり飾ってみました。主石は球磨川の石で、島型石に見えますが、山型石として飾ってあります。夏なので、涼しげな感じのする滝の軸と取り合わせてみました。添えには紅アシを添えての3点飾りです。ご批評をお聞かせください(席主)・・・との事でした


そして集まった意見は次のとおりです


◎一番良い点
・季節感があって良い
・均釉の水盤が涼しげで良かった
・石、水盤、卓が三位一体となっていて、高度な次元で良い
・全体の間の取り方(バランス)が良い
・石が良い

◎気になる点
・水盤が少し浅いのでは
・添えが少し野暮ったい(大きい)
・軸が滝で、石も縦長、添え草も天突き系と、3つともが縦長の配置になってしまい、全体として変化や調和が少し欠けてしまっている
・掛け軸の位置を少し下げた方が良いのでは
等の意見が集まりました(複数回答有り)
皆さんは、どのように思われますでしょうか?



◆ 正解 ◆

『一番良い点』については
 今回の飾りは、石・水盤・卓という主席の取り合わせが抜群で、渋さもあり、品格もあり、高級感も醸しだされていて、水盤への据え位置もピタリと決まっています。ですから、主席全体が一番優れている事になります

『一番気になる点』については
 やはり、石・軸・添えの3者が縦長で構成されている点で、飾り全体が縦長だけで構成されてしまったと言うことです
 縦長の物だけで組み合わせてしまいますと、席のバランス(調和)が、どうしても良くありません。立ち石系統では、斜めに伸びる草物との取り合わせが一番よく似合い、全体の調和も優れてきますので、斜めに伸びる草物か、懸崖・半懸崖の小品盆栽などと取り合わせると、更に良くなります

 もちろん、丸い感じのする草物や、平べったい草物でも調和しますが、立ち石に、一番似合うのは、斜めとか横に力が働く者ですので、覚えておくと、何かの役に立ちますよ




SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送