2007年6月編

今月の飾り
 2005年10月の研修会より、勉強方法を少し変えてみました。それは、飾りの中で 『一番良い点』 と 『一番悪い点』 を見つけるという方法です。従来の良い点だけを見つけるという方法も、いわゆる「あら探し」になることなく、飾りの良い点が理解できる方法としては適切なのですが、飾りの悪い点を把握していく事も、ミスの少ない飾りを行う上では勉強になるだろうということで、この方法に変えました
 また、その発表方法についても、今までは、各人が順番に良い点を発言していくという方法でしたが、この方法ですと、最後の方に発言する人は、先に発言する人達の意見を耳にしてしまうので、いろいろと迷ってしまう場合もあります。そのため、今回からは、各人がそれぞれに渡された紙に、『一番良い点』と『一番悪い点』を書いて講師に渡し、最後に講師がそれを発表し、勉強をしていくという方法です
梓川産溜まり石
均釉長方水盤
唐木地板
掛け軸は、カワセミの図


添えはチャセンシダ


3点飾り


 今月の飾りは、初夏らしく溜まり石を主役にした飾りです。この石を古い均釉(たぶん古い常滑)水盤に据え、唐木の地板と取り合わせています。掛け軸は「カワセミ」の図で、添えにはチャセンシダを添えた3点飾りとなっています

 初めての床飾りになるため、ちょっと緊張しています。初夏なので、涼しげな感じのする溜まり石を据え、カワセミの軸と取り合わせてみました。添えにはチャセンシダを添え、池の畔(ほとり)で、魚を狙うカワセミがいるような風景を出してみました。ご批評をお聞かせください(席主)・・・との事でした

そして集まった意見は次のとおりです

◎一番良い点
・溜まり石、均釉、カワセミ、シダと夏らしく涼しげで良い
・石が素晴らしく良かった
・石と他の道具類との取り合わせが、夏らしく感じを出していて良い
・全体の間の取り方(バランス)が良い

◎気になる点
・添えが少し野暮ったい
・添え草がイマイチ良くないので、置かない方が良いのではないかと思った
等の意見が集まりました(複数回答有り)
皆さんは、どのように思われますでしょうか?


◆ 正解 ◆

『一番良い点』については
 今回の飾りは、溜まり石・均釉水盤・カワセミ・シダと、初夏らしい取り合わせで、取り合わせの妙と季節感が最高です。石もかなり良い石で、水盤への据え位置もピタリと決まっています

『一番気になる点』については
 飾り全体の雰囲気については、季節感も景色感も良いのですが、気になる点が2点あります。1点目は、添え草です。シダ自体は悪くないのですが、植えてある鉢が合っていませんし、深すぎて野暮ったくなってしまいました。大きさはこれくらいで良いのですが、高さを3分の1くらいの鉢に植え付ければ、ちょうど良かったでしょう
 もう1点は、地板です。面の取り方がまだまだ甘く、ちょっと角が目立ちすぎて固くなってしまいました。かなり面を取ってやれば、これほど厚みを感じることはありませんし、飾り自体も軽やかさが出てきます。特に水盤も長方ですから、余計に目に付いてしまいます
 この2点は、どちらの方が悪いと、甲乙つけれないくらい気になる点です。それでも、しいて言うとしますと、目立つ主飾りに関係する地板でしょうか

 たかが地板、されど地板・・・地板と言っても、ただ水盤や添え物を置くことができれば良いと言うほど単純ではなく、やはり上に乗せる物と渾然一体となって、かつ上に乗せた物を引き立たせることができる物が、なんと言っても一番良い地板です。どのような地板が、どのような物を活かすことができるのか・・・良い地板を持っていても、この事がわかっていないと宝の持ち腐れになってしまいますので、最後は、それを使う人の力量次第と言うことになってしまいます。ですから、石の勉強とともに、道具の使い方も勉強していくことが、良い飾りを行うことができる早道となります




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