暦の上では4日には立春となり、春を迎えることになるのですが、上中旬はといえばまだまだ寒く、下旬になって、やっと春らしさを感じることになるのでしょう。とはいっても、少しずつではありますが、確実に陽が延びていくのを実感できる月でもあり、待ち遠しい春がそこまでやってきています
そのような季節でもありますから、今回の飾りでは、少し春らしさをイメージしながらの水石飾りです。2月ですので、ベタではありますが梅花石を飾ってみました。この石は富士川産の梅花石で、最初の写真を見ても分かるとおり、幹があり枝がある普通の梅花と違い、【枝垂れ梅】の梅花です。この石を桑の机卓に据え軸はウグイスの軸を取り合わせた2点飾りです
この石については、普通の梅花ではなく、前述したとおり枝垂れの梅花と見立てています。枝振りは枝垂れらしくて非常に好ましいのですが、惜しむらくは花の位置でしょうか。石の上方に良い花が咲いてしまい、良い花が出て欲しい中央部には、これといった花が無いのが惜しまれ、もう一歩という感じですが、まあ、鑑賞できる範疇ではないかと思っています
この石に対して、中卓を合わせてみました。普通に梅の花を観賞する場合、見上げで見るのが一般的ですので、地板や平卓でなく中卓を取り合わせてあります。このようにすることにより、視線の位置も上がり、ほぼ目通しで見ることになり、鑑賞時も視線が安定しますし、石にも多少の品格が出てくることを狙っての中卓使いです
軸については、時期ものと言うこともありウグイスにしました。この石に合いそうな画題と言えば、茅舎とか鳥・月くらいしか思いつかず、単純ではありますが、この軸にしてみました。 鳥を合わせたことにより、近景の景となり、景色の広がりを感じることはできませんが、これはこれで仕方がないところでしょう。添えについては、草物はまず合いませんので、あえて置くとすれば人物などが面白そうなのですが、合いそうな添配の持ち合わせがありませんので、2点飾りになってしまいましたが、小さめの農夫などの添配を置きたいとところでした
今回は立ち石の梅花を、少し高めの中卓に取り合わせてみました。細身の姿石などは、中卓と取り合わせてしまうと、普通はあまり調和しないのですが、この石は、立ち石でありながらも、比較的横幅のある石ですので、卓との調和については、色彩的なバランスも含めそれほど良いとは思えないのですが、まあ許容できる範疇ではないかと思っています |