2月下期の部

床の間飾り

主役は富士川山型石
幅25×奥9×高7
水盤は銅卍透かし楕円水盤
紫檀中卓
軸は梅に鶯の図

3点飾り

 厳寒期が過ぎ、わずかな庭では鑞梅も咲きだし、梅の開花便りもチラホラ聞こえる季節になってきて、やっと「春の訪れ」を感じるような季節になってきました。そのため、今回の飾りについては、とっとだけ春を感じさせるような飾りにしようと意識して、今回は飾ってみました

 今回は富士川産の山型石を主役として使ってみました。この石は青黒系の富士川石ですが、青黒というよりもちょっと色の薄い緑がかかっている系統ですので、4月の後半頃に若葉が萌えるような時期にでも飾れば、より映えそうな石なのですが、まあ、この時期でも大丈夫そうですので、主役としました。石灰が咬んでいる白い部分がありますので、これは残雪みたいにも見えますので、ちょっと早すぎるかなとも思うのですが、平地の低山を意識して飾りました

 この石を卍透かしの銅楕円に据えたのですが、水盤がちょっとだけ深めという感じを受けますが、まあ、これくらいでしたら十分許容範囲内です。この石に最適に合わせるためには、もう少し浅めのものが良いのですが、石が細長いため、ちょうど良い水盤はこれしかないため、この水盤を使用しました。卓は紫檀の中卓を使っています。石自体が山型とも島型ともとれる石なので、中卓に飾ることにより山型を意識したため、中卓に合わせてあります
 
 掛け軸は、時期物ということで「梅に鶯」の軸にしました。どこにでもある単純な画題ですが、この時期には、まあ最適なものだろうということで、この軸を使ってあります
 添えについては、適当なものがありませんので、添えは置かずに2点飾りにしてみました

 今回の飾りのポイントは、しいて言うと、卓の使い方でしょうか。山型と島型はほぼ同じような形態をしていますので、卓の使い方により山型にもなるし島型にもなりますが、今回の飾りのように、中卓を合わせることにより、完全に山型石であることを主張することができます。この石を平卓に飾り、海や海岸に関連するような軸や添配を添えると、島型石としても飾ることができ、これは、飾る人の考え次第で変えることができます



玄関飾り

主石は瀬田川茅舎石
幅11×奥10×高12
杉波形地板 
短冊は竹に雀の図

2点飾り


 玄関飾りは、石と短冊の2点飾りです。主石は瀬田川の茅舎石で、杉の波形地板に合わせました。添えは、竹に雀の短冊です

 今回使用した短冊は、竹に雀の画題で、この画題は冬期間の画題でもあり、少々遅すぎる嫌いもあると考えているのですが、まあ、ほとんど若葉も芽吹いていない2月であれば、ギリギリ使える範疇だろうと思い、これを使用してみました
 画題自体は平地で集落周辺の景ですので、茅舎石が一番似合いますので、今回は茅舎との2点飾りで、冬枯れ残る景色を現わしてみました。この画題なら、近景の山型石でも十分似合いますが、同じような形態の石ばかりでは、あまりに飾りが単調となってしまいますので、茅舎にした思いもあります

 季節感については、春を感じさせる時期に冬枯れの感じでは、少々寒々しい感じもしましたが、床の間部分で、季節感が十分出ているので、玄関はこれくらいでも良いだろうと考えています

 茅舎石は少しひなびた感じを受けるようなものですので、少し厚めの杉地板に飾ってあります。上品な飾りにしたい場合は、薄目の紫檀地板を使ったりするのですが、今回の飾りの場合は、絵が少し甘いので、とうてい上品な飾りにはなりませんので、このような地板を合わせてあります





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