2月上期の部

床の間飾り

主役は水車小屋(陶器製)
幅18×奥15×高16
地板は長方杉浮作り

軸はネズミ


2点飾り


 暦の上では立春を迎えてはいるのですが、今期は、実質的に一番の厳寒期です。実際は、こんな時期にこそ暖かみのある飾りをしたいところですが、スポット的に飾るのであれば、フクジュソウやフキなどを使い、春の訪れを飾ったりするのが一般的なのですが、継続して飾りを行っていますので、厳寒期にあまり派手な飾りをするのは避け、ちょっとだけ暖かみがありながらも、季節感を感じるような飾りをめざして、今回は飾ってみました
 いろいろ考えてみた末、今回は添配を主役として飾ることに決めました。特に大袈裟な理由はありませんが、たまたま、添配編についてのコンテンツを考えている最中でしたので、たまには、添配を主役に飾ってみようかなという単純な理由だけです(笑)

 今回の主役は、陶器製の水車小屋です。それほど良い出来のものではありませんが、一間の床の間に飾るのには、大きさもちょうど良いサイズです。水車小屋自体は水を連想させるもので、どうしても寒々しさも感じてしまいますが、陶器製であるということと、色目も暖かみのある色をしていますので、この時期に使っても、それほど違和感はありません。この水車小屋を、ちょっと赤みのある薄めの長方杉地板の上に飾りました
 掛け軸は、少々悩みましたが、ネズミの軸にしました。ネズミが保存しておいた穀物を囓ろうと、穀物袋の回りを徘徊している画題です。景色的には、ちょっと面白そうかなということで、この軸を使ってみました。季節感については、主役の色と地板の色で現しています
 添えについては、一度はフクジュソウでも置くことを検討してみたのですが、軸が建物内部の絵になっていますので、今回添えは置かずにこの2点飾りにしてみました

 今回の飾りのポイントは、しいて言うと、添配の置き方でしょうか。茅舎・東屋・御堂・鐘突堂などのような建物を現す石や添配を飾る場合についてです。このような建物を飾る場合に、時として平卓などに飾る人を見かけますが、卓に飾ってしまうと、建物の下に空間ができてしまい、どうしても、とってつけたようにしかならず、安定感もありませんので、必ず地板に飾る事が必要ですので注視する必要があります
 これらを主役として飾る人は、実際は少ないのですが、添えとしての利用でも考え方は同じで、添えでも地板に飾るようにします。また、他の物でも、地面にあるものは基本的に地板に飾るようにします



玄関飾り

主石は奈良井川土破石
幅12×奥9×高2
水盤は志茄埜庵 
短冊は雪に南天図

2点飾り


 玄関飾りは、石と短冊の2点飾りです。主石は真黒の土破石で、瑠璃の水盤に据え平卓に乗せてみました。添えは、雪に南天の短冊です

 画題が雪に南天ですから、基本的には平地の景ですので、茅舎・土破・平溜まりなどの平地の景が合いそうなのですが、平溜まりでは少々寒々しくなってしまいますので、今回は土破を選択して合わせてみました。本来なら葛谷が一番合いそうなのですが、土破でも、まあまあというところでしょうか
 季節感については、雪が短冊にありますので充分現されていますが、暖かみには欠ける飾りとなってしまいました。暖かみが無いということは、それはそれで、仕方がないところですが、できれば、多少の暖かみは出したいところでした。ただ、この飾りで暖かみを出そうとすると、水盤か平卓の色で出すしかなく、そうそう簡単にはいきませんので、こんな感じで、まあ、良しというところでしょうか





戻る





SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送