暦の上では立春を迎えてはいるのですが、今期は、実質的に一番の厳寒期です。実際は、こんな時期にこそ暖かみのある飾りをしたいところですが、スポット的に飾るのであれば、フクジュソウやフキなどを使い、春の訪れを飾ったりするのが一般的なのですが、継続して飾りを行っていますので、厳寒期にあまり派手な飾りをするのは避け、ちょっとだけ暖かみがありながらも、季節感を感じるような飾りをめざして、今回は飾ってみました
いろいろ考えてみた末、今回は添配を主役として飾ることに決めました。特に大袈裟な理由はありませんが、たまたま、添配編についてのコンテンツを考えている最中でしたので、たまには、添配を主役に飾ってみようかなという単純な理由だけです(笑)
今回の主役は、陶器製の水車小屋です。それほど良い出来のものではありませんが、一間の床の間に飾るのには、大きさもちょうど良いサイズです。水車小屋自体は水を連想させるもので、どうしても寒々しさも感じてしまいますが、陶器製であるということと、色目も暖かみのある色をしていますので、この時期に使っても、それほど違和感はありません。この水車小屋を、ちょっと赤みのある薄めの長方杉地板の上に飾りました
掛け軸は、少々悩みましたが、ネズミの軸にしました。ネズミが保存しておいた穀物を囓ろうと、穀物袋の回りを徘徊している画題です。景色的には、ちょっと面白そうかなということで、この軸を使ってみました。季節感については、主役の色と地板の色で現しています
添えについては、一度はフクジュソウでも置くことを検討してみたのですが、軸が建物内部の絵になっていますので、今回添えは置かずにこの2点飾りにしてみました
今回の飾りのポイントは、しいて言うと、添配の置き方でしょうか。茅舎・東屋・御堂・鐘突堂などのような建物を現す石や添配を飾る場合についてです。このような建物を飾る場合に、時として平卓などに飾る人を見かけますが、卓に飾ってしまうと、建物の下に空間ができてしまい、どうしても、とってつけたようにしかならず、安定感もありませんので、必ず地板に飾る事が必要ですので注視する必要があります
これらを主役として飾る人は、実際は少ないのですが、添えとしての利用でも考え方は同じで、添えでも地板に飾るようにします。また、他の物でも、地面にあるものは基本的に地板に飾るようにします |