1月下期の部

床の間飾り

主石は奈良井川土破石
幅19×奥13×高4.5

水盤は志茄埜庵白釉楕円水盤
幅45×奥28
黒檀平卓
軸は藁束にミソサザイ


2点飾り


 小正月も終わり、季節は大寒を迎え、これから2月初旬にかけて1年中で一番寒い季節になります。三女が高熱でしばらくの間寝込んでいて、なかなか熱も下がらず食欲も無い状態が続いていたので、風邪ではなくウイルス性の病気かと心配し、精密検査を受けるなどしたのですが、結果的には体調も戻り、どうやら他だの風邪らしかったということで、ちょっとホッとしている状況です

 今回の飾りは、一番寒い季節を意識しながらの水石飾りです。厳寒期でありながらも、そのなかに暖かさを彷彿させるような飾りにしたいとも思うのですが、あまりに暖かさばかり意識してしまうと、冬中同じような飾りになってしまいそうなので、適度に暖かみが出てくるような飾りを試みてみました
 寒い時期ですので、床の間くらいは、山や滝などの寒さをイメージさせるような石を避け、主石は土破にしました。それを、時代が付いた白釉の楕円水盤に据え、平卓に飾ってみました。少々卓が小さめなのですが、許容範囲内であろうと思っています
 掛け軸は、厳寒期ということもあり、あえて雪が描かれている軸を取り合わせてみました。画題はカヤクグリで、この鳥は、冬になると人里近くの藪に降りてきては、藪の中に潜んで暮らす鳥です。この時期、雪と取り合わせてあることで、時期的には抜群に合う画題です。今回は、添えを置かずにこの2点飾りにしてみました

 今回の飾りのポイントは、しいて言うと厳寒期の飾りです。通常ならば、厳寒期における飾りは、寒さを感じさせるような飾りはなるべく避け、寒さを忘れさせるような暖かみのある飾りを心がけるべきで、展示会などで単発の飾りを行う場合は、そのような飾りを行なうのが良いと思います。私の場合は、年間を通して行っていますので、冬中同じように暖かみのある飾りをしていたのでは、あまりに季節感がなくなってしまいますので、このように通年の飾りを行う場合は、あえて、少し寒さを感じさせるようなものを飾った方が良いと考えています。ただし、厳寒期だからといって、鑑賞していても寒々しくなるような滝石などを使った飾りは避けるべきで、道具立ての中に、ちょっとだけ暖かさを感じさせる配慮が必要です。少しでも暖かみがないと、本当に寒々しいものになってしまい、悲惨な結果になってしまいます
 また、私の場合は、玄関飾りもあわせて行っていますので、こちらの飾りともバランスをとる必要があります。玄関飾りでは、水盤の色で暖かみをだしていますので、床の間で飾りでは暖かみのある赤系は避けたいという思惑もあり、床の間飾りと玄関飾りのバランスをとらなければならないので、いろいろと工夫することが要求されています

 今回の道具立ての中では、軸の表装色でちょっとした暖かみを演出しています。表装の色が暖かさを感じさせる黄色系が使われている為、この軸色だけで、ちょうど良いくらいの暖かさだと思い、水盤色も暖かみを感じさせない普通のものにし、添えも暖かみを感じさせるものを置きませんでした
 ただ、今回の軸は短冊が軸装されたものですが、この床では、ちょっと小さすぎるきらいはあります。本来ならば、四間床にちょうど良いサイズで、この床では、ギリギリかなとも感じています。表装については、シンプルな丸表装にはなっていますが、色のバランスがあまり良くありません。表具が黄色系で、台紙が白、本紙も白色が基調になっている為、一番重要な本紙の部分が、ちょっとボケてしまう傾向にあります。本来なら、表装仕直したいところなのですが、とてもそこまで小遣いが回らなくて、このような我慢しながら使っている軸がたくさんあります(笑)



玄関飾り

主石は富士川島型石
幅19×奥13×高4.5
水盤は春松  紫檀巻き足平卓
1点飾り


 玄関飾りは、今回もシンプルな水石だけの1点飾りです。あまり質の良くない富士川島形石を赤系の水盤に据え、巻き足の平卓に乗せてみました
 特に評価するような点もなく、水盤の色で季節感(暖かみ)を出しただけの水石飾りです。このように、水石単体の飾りでは、石の色か水盤の色でしか季節感を出すことができませんので、シンプルとはいえど、シンプルの中に季節感を出すのには、それなりの石や道具を使わなければなりません
 
 私の場合は、床の間の方でしっかりと季節感を出しておけば、あえて玄関飾りでも、季節感を出す必要もないと思ってはいるのですが、できるだけ、床の間飾りとバランスの取れた季節感を出すような飾りをしたいと心がけています





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