山々を赤や黄色に染めていた紅葉も、いよいよ里に降りてきて、街中の公園や街路樹も、かなり色付き始めてきて、そろそろ晩秋かなという思いを感じさせるようになってきました
そんなこともあり、今回の飾りは、里の紅葉をイメージしながらの水石飾りです。軸は紅葉真っ盛りらしい物をと思い、この軸に決め、軸に合わせて、主役を取り合わせる事にしました
今回の飾りは、秋の里風景を演出する事にし、最初は茅舎石を主役にしようかなと考えたのですが、いろいろと考えた結果、土破型にしようと決め、この姫川石を主役に飾る事になりました。石に合わせて、水盤は灰釉の楕円水盤にし、タモ(たぶん)の平卓を使用しました
添えについては、軸に植物(紅葉)が描いてあるので、草物は置くのを避け、添配も景色にあうような物の持ち合わせがないもので、今回はこの2点飾りとなりました
今回の飾りのポイントは、色彩バランスです。最初に、この軸を使って飾ろうと思った時に頭に浮かんだのが、紅葉の赤を引きより立たせるために、瑠璃釉か織部釉の水盤を使うことでした。これは、紺色か緑色の水盤を使って石を飾れば、2点飾りではあっても、色彩的には、まあまあ良くなるだろうと考えたからです
瑠璃の楕円では、このサイズを持っていなかったので、織部の水盤を持ち出し卓と合わせて床の間に置き、掛け軸をかけてみたら、なんと、表装が薄い緑色をしていて、見事に織部の色と色味がダブってしまいました。やはり、これでは、色彩的にも良くありませんし、何より表装と水盤色のダブりが目についてしまいます
そのため、最終的には、水盤をこの灰釉のものに変え、今回の飾りとなりました。総体的には、可もなく不可もなくといったところでしょうか |