10月下期の部

床の間飾り

主石は千松山型石
幅26×奥13×高61

水盤は小豆釉大撫で角短冊水盤
幅54×奥28
班竹中卓
軸は美男葛の図


添えは、古銅橋
地板は屋久杉丸

3点飾り


 初回のアップが遅くなってしまったので、あっと今に2回目の飾りという事で、ちょっと忙しくなかなか思うように飾れませんが、今回はこの水石飾りです
 軸は初秋らしい物をと思い色づき始めた美男葛を使いました。今回の飾りについては、最初に石を選んでから飾りを決めるのではなく、軸を最初に選んで、主役と添えを取り合わせる事にしました

 今回の飾りは、初秋の山村風景を演出する事にし、背の低い山型石を飾る事にし、小豆釉大撫で角短冊水盤に据え、卓は班竹の中卓にしました。今回使用した軸は、書き込みが良く上品な絵ですので、それに伴い少しでも格調をつけようとこの卓を使用しました

 添えについては、軸が植物ですので、今回は桁の高い橋を取り合わせ、山村の小川に架かる風情も一緒に現わして見る事にしました

 今回の飾りは、総体的に難しくもひねってもなく普通の飾りなのですが、一番のポイントは添えにあると思います。添えと言っても橋の事ではなく、添えに使用している地板の事です。当初は、橋の形に合わすように少し細長めの波形地板の上に置いてみたのですが、主役の石が背の低い山型石でもあり、点景としての効果も考え丸の地板に代えこのような飾りとなりました
 少しでも景を大きく見せる為、地板を使わないで直接畳の上に添配を置く事も考えたのですが、今回の添配はそのような飾りを行なうのには、ちょっと小さすぎたので、丸の地板を使う事にしました
 また、美男葛については、季節的にはちょっと遅いかなというところが反省材料でもあります(前回に使っていれば、ちょうど良かったかもしれません)



玄関飾り

主石は員弁川島型石
幅14×奥9×高6
軸は富士山
添えは古銅鳥居
幅4.5×高5
3点飾り
 こちらの玄関飾りを行なうのにも、床の間飾りと同じで最初に軸(短冊)を選び、それから主役・添えを取り合わせて飾る事にしました(笑)。短冊については、ほとんど持ち合わせがなく、使えるものも数少ないので、このようなやり方になってしまいました

 軸(短冊)については、写真ではわかりにくいと思いますが、雲海に浮かぶ富士山の画題です。この画題を活かす為に飾りの内容を考え、今回は 『海越しの富士』 をテーマにしてみました。その為、主役には左勝手の島型石を用い、伊羅保釉撫で角長方水盤に据え、卓は使わずにスズ竹の地板に合わせてみました。これで、伊豆半島あたりから見える 『海越しの富士山』 という感じを演出してみました
 
 添えについては、置いても置かなくても問題はないと思うのですが、参考になるかと思いあえて鳥居を使ってみました。この鳥居は、普通の神社の鳥居を現わしているのではなく、広島の宮島のように海に浮かぶ鳥居をイメージしたものです。ですから、鳥居は島型石に合わせると水石飾りにも充分使う事ができるのです。この飾りでは、地板を使わずに直接床に置くことにより、地板を使う事による遮断感を無くし、海に浮かんでいる広大な風情を現わしています
 また、この玄関スペースは奥行きが37cmしかないため、添えを置くのには充分なスペースではありません。その為、若干窮屈気味に感じられますが、ギリギリ許容範囲と思ってお許しください

 今回の飾りについては、短冊を使ってみましたが、この玄関スペースでは、やはり短冊がちょうど良い大きさのようです。添えを置くと、やはりちょっと窮屈に感じる事は否めませんが、許容範囲で調和しているのではないかと思っています
 『季節感は?』と思われる人もいるかもしれませんが、富士山の絵については、頂上付近に見える雪の量で季節感を判断する事になり、この絵の場合は、秋から初冬の積雪具合や晩春の残雪具合ですので、秋であれば10月下旬から11月下旬、春であれば4月下旬から5月下旬までの間が、この絵の使い頃ということになり、それから考えると、まあまあ季節感は出ているのかなと思っています

 それと、残念なのは、やはり緑(植物)による柔らかさが欠けているという事でしょう。3点飾りを行なう場合は、主役・軸・添えのどれかに緑(植物)があると、飾りに柔らかさが出てくるのですが、まあ、こればかりは仕方がないかな・・・
 もちろん、 【緑(植物)がない飾り=悪い飾り】 ということではなく、緑(植物)があることにより飾りが柔らかくなり、誰にでも受け入れやすくなるという事ですので、ご注意ください





戻る





SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送