いよいよ今年も師走になってしまい、なにかと気ぜわしくなってきました。年末の大掃除や餅つき・正月の準備など、やらなければならない事は山積しているのですが、年々時間がなくなってきている感じで、何かに追われるばかりの年末になりつつありますが、あまり良い傾向ではありませんね
今月は、写真のような千軒の磯型石を飾ってみました。軸は鴎の図、添えにはシノブを添えた3点飾りです。主石は、瑠璃釉の水盤に据え、花梨の平卓と取り合わせています
この石は、千軒石ですので知内川産の蒼黒ジャクレ岩です。だいぶ前に貰った石なので、だいぶ時代もついてきて落ち着いた色合いになってきました。この石の特徴は、蒼黒とはいうものの、実際は緑黒という感じで、濃い緑色系統の色合いをしている事と、時折白い部分を含んでいるとい特徴をしているのですが、時代がつきますと母岩の色は黒になってきて、白い部分は茶色くなってきます
この石を一弘の瑠璃釉長方水盤に据え、花梨の平卓と組み合わせています。石が磯型石ですので、軸は鴎の軸を掛け、シノブを添えている3点飾りです。冬場に島型石(磯型石)を使って席飾りをするのは意外と難しく、なによりも季節感を出すのに困ってしまいます
鴎自体は実際は冬鳥なので、この軸を添える事で季節感はあると言えばあるのですが、石+鳥だけでは、ちょっと寒々しく、席飾りをする場合は緑が欲しくなります。それに、石が右勝手なのに、軸も右勝手になっていますので、受ける物がなければないと席として成立しませんので、どうしても添えを置かなければなりません。銅や木の添配も良くありませんので、今回のような石と軸の取り合わせの場合は、添え草を取り合わせる事が必要になります
そのため、緑の物を探したのですが、いかんせんこの時期ですから、ほとんど枯れてしまっていますし、緑の物があってもなかなか似合う物がなく、仕方がなくシノブを添えています。しかも、根洗いですからイマイチなのですが、磯に張り付くように生息しているシダというような景色もイメージできますので、まあこれくらいは仕方がないかなと思っています。ヤブコウジなどの赤い実物は、ちょっと早いかなとも思い、笹か野菊かこのシダか迷いましたが、このシダにしてみました
いずれにせよ、12月という季節感を出すのは、なかなか難しく、特に磯型でこの時期の季節感を出すのは、かなりの難物です。今回の飾りにおける季節感は、正直なところあまり良くありませんでしたが、まあ、これも勉強という事で・・・(笑)
この石はまあまあ変化のある石で、あれこれひっくり返していると、他にも見所がありそうな石に見えます。また、斜に構えて見る石なので、水盤に正しく据えるのも難しい石でして、実は、先月の勉強会の教材に使用した石でした。自分の勉強も兼ねて、今月はこの石を飾ってみようと思い、今回使ってみました
こちらの2点 でも見られそうなのですが、主峰側の逃げか気になってしまい、飾った姿がベストポジションになっています。この石は、飾るのには難しく、かなり石を振り(斜に構える)、少し広めの水盤で飾るのがポイントになります |