いよいよ秋本番の11月になりました。例年ならもっと寒くなるのですが、まだまだ暖かい日が続いています。これも長い目で見ると、地球温暖化の影響なのでしょうか、ちょっと心配になります。今月は、最初から市文協の展示会もあって、水石趣味関係はなかなか忙しく、おまけに仕事も忙しいときて、更新が遅れてしまいました
今月の飾りは、釜無川産の土破石を主石として飾ってみました。軸には双鹿の図、添えには黒軸カリヤスを添えた3点飾りです。主石の土破石は、葛明祥の海鼠釉楕円水盤に据え、平卓と取り合わせてあります
この石は、釜無川産の土破石です。川擦れは良く、破面自体は狭いのですが、その分石の厚みがあるため、なんとかバランスは取れている石です。ただ、破面の一部が手前にちょっとつきだしている感じなのが欠点ではありますが、石の振りを調節しながら、なるべく目立たないように据えています(笑)
この石を葛明祥の海鼠水盤に据え、紫檀の平卓と取り合わせています。軸は双鹿で、添えには黒軸カリヤスを添えたもので、鹿とやや紅葉しかけたカリヤスとで深まりゆく秋の季節感を出すように心がけて飾りました
実物を見ていますと、それほど気にならないのですが、写真にしてみますと、ちょと水盤が小さめに見えてしまいますが、ギリギリ許容範囲内くらいでしょう。できれば、もう少し広い水盤が良かったです
個人的な好みもあり、玉縁の水盤はあまり持っていませんし、おまけに海鼠も好きではなく、この水盤は私が持っている唯一の海鼠水盤です(玉縁は3枚くらいです)。たまには使わないとと思い、今回使うことにしました。玉縁の特徴は、写真で見てもわかるとおり、水盤の縁全体が丸く見えますので、非常に優しい姿になります。また、古い支那水盤は深い作りになっていることから、玉縁の広さが丸みのある柔らかさだけでなく、深さとも相まって、ちょっと野暮ったくなってしまっているのが、あまり好きになれない理由でもあります
このような水盤ですから、合わせる石も難しく、水盤に力があるからと言って、力強い石を合わせますと、ますます野暮ったくなってしまいますが、かといって、大人しい平石や川擦れの効いた山型や溜まりなどを合わせても、イマイチしっくりくることはありません。元々、この手の水盤は、優しさを持ちながらも反対に力強さをも合わせ持っている水盤ですから、直線部分を持っている石が良く合い、ちょっと力強い土破や段石を合わせるとお互いを引き立たせることができます |