10月の部

床の間飾り

主草:フジバカマ根洗い
幅16cm×奥11cm×高19cm
黄瀬戸捏ね鉢・蓮弁紋地板
軸は捨て小舟の図


2点飾り


 暑かった夏も終わり、過ごしやすい10月になりました。すでに北海道とか高山では紅葉の便りも聞こえるようになり、いよいよ季節も秋に移ったかと実感することができます

 今月は、写真のようなフジバカマの根洗いを主草にして飾ってみました。軸には捨て小舟の図を添えた2点飾りです。主草のフジバカマは、黄瀬戸の捏ね鉢に入れて、蓮弁の形をした地板と取り合わせています

 この草は、園芸品としては普通にたくさんあるのですが、野外では非常に少なくなってしまい、今では絶滅危惧種となってしまった草です。本県でも『野生絶滅』というカテゴリーに区分される植物で、野生個体は絶滅してしまいました。もちろん、この個体は園芸品です。園芸品と言っても、元々は野生植物ですから、野草にはかわりなく、古くから日本人に愛されていた花の一つでもあり、この時期になりますと、物憂げに咲く姿は秋と良くマッチしている草です

 かなり前から鉢植えにしていたのですが、ここ数年は根詰まりのため、数cmしか伸びない状態でしたので、処分してしまおうかと思ったのですが、春先に鉢から抜いて根洗いにしておいたら、今年は花茎を伸ばしてくれて、なんとか見られそうな感じになりましたので、今回、飾ってみました

 水盤については、本当なら浅くてもう少し間口のある物に据えたかったのですが、そのような物は持ち合わせていませんので、この捏ね鉢に据えてみました。ちょっと捏ね鉢が厚くて強いのですが、これは我慢です(笑)。この主草に捨て小舟の軸を掛け、秋らしく、憂いがあって落ち着いた飾りを目指しました

 軸は画題を「捨て小舟」としましたが、実際は鳥が主役で、この鳥は「イソヒヨドリ」という鳥だと思います。小さな沼地の秋の風景という感じで、取り合わせてみました。あさっりとしていながらも渋い感じのする軸ですので、水辺の物とはいえ秋には良さそうな感じがします

 写真ではわかりにくいと思いますが、かなり草姿が乱れています。これは、とっかえひっかえ置き場所を移動させてしまったからで、その度に花茎が曲がってしまい、ちょっと纏まりのない姿になってしまいましたが、展示会に使うのならともかく、家で楽しむくらいなら、これくらいでも充分でしょう(笑)


玄関飾り

主石は三陸海岸山型石
幅12cm×奥5.5m×高3.5cm
饕餮紋青銅楕円水盤・紫檀地板
添えはタデ

2点飾り
 玄関飾りは、水石を主役にした2点飾りです

 この石は、三陸海岸産の山型石で、この石を青銅の水盤に据え、紫檀製の地板と取り合わせてみました。それにタデを添え、2点飾りとしてみました

 この石は、擦れの良い真黒の山型石です。写真で見てもわかりますが、この水盤では、ちょっと窮屈ですね。もう一寸くらい大きめの物がちょうど良いのですが、持ち合わせがありませんので、この水盤に据えてみました。これも我慢といったころでしょうか(笑)。それを紫檀の地板と取り合わせてあります。これも、本来なら卓に飾りたいところなのですが、飾ることができる小さな卓もないので、地板で我慢しています

 添えは、タデです。我が家の庭にはイヌタデ・アイタデ・サクラタデがたくさん生えていまして、それを鉢に取ったもので、花芽もあったのですが、どうやら管理不足のためナメクジに食べられてしまったようです。花はなくても、使えますので、今回、この石に合わせてみました

 床の間飾りの捏ね鉢・玄関の水盤に卓と、今回は、我慢の飾りをしてしまいました。本来なら、玄関くらいは石を変えて、飾り直すべきところなのですが、忙しいこともあって、ちょっとおざなりになってしまいました。飾って見ている分には、仕方がないかな・・・と思えるのですが、こうして写真にとってみますと、やっぱり良くありませんでした。これでは、まったく勉強にもなりませんし、良いところもまるでありません

 あまりのひどさに、大きく反省しているところですが、この恥も晒しておき、これからのバネにしようと思いますので、あえて、飾り直さずにこのまま紹介することにしました。次回からは、少しでも勉強になったり、得る物があるような飾りをしたいと思います








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