8月になりますと梅雨も終わり、暦の上では、すぐに立秋を迎える事になりますが、実際は、まだまだ暑い日が続きますが、下旬くらいになると、ようやく虫の音も聞かれ始め、秋の気配も伺えるようになるでしょう
今月は、写真のような釜無川産の山型石を飾ってみました。軸には鬼灯の図を添えた2点飾りです。主石の山型石は、瑠璃釉の水盤に据え、紫檀の平卓と取り合わせています
この石は、釜無川産の山型石なのですが、良く見てもらいますと、双山になっているのがわかると思います。水石の世界では二山(ふたやま)などと呼称する、主峰と副峰を持った山型石です。二山にもいくつかのパターンがありますが、この石は珍しく重ね山になっているタイプの二山で、滅多に見られないタイプの石です。自分で言うのも何なのですが、一応自慢できそうな石の一つです(笑)
川擦れも良く、良い位置に主峰と副峰が並んでいる様は、絵に描いたような感じで、盆石に近い感じの石になっています。主峰と副峰の間の谷部の出来も良く、ちょっと四角っぽい感じの石になっていますが、良く川擦れした稜線等により、あまり硬さを感じる事ない石になっています
この石を一弘の瑠璃釉水盤に据え、紫檀の平卓と組み合わせています。軸は時期もので鬼灯を取り合わせた2点飾りです。今回は、盆石風の石ですので、景色感を創出することよりも、「夏らしい盆石飾り」というイメージで飾ってみました。しかしながら、鬼灯が夏の季節感だからといっても、実際は8月上旬くらいのお盆前のものでもありますので、8月全般というよりは、8月前半の飾りという感じになっています。このように風流な飾りも、たまには良いでしょう。自宅の床の間というよりは、茶室の床の間にでも飾れば、なお一層映える飾りとなると思っています
軸が鬼灯ということで植物を合わせてありますので、添え草等は置かずに、2点飾りにしてあります。添えを置くとすれば、草物以外の物という事になるのですが、今回の飾りでは、変な物を置くよりも、この2点だけの方が良さそうです
この飾りでは、許容範囲内ではありますが水盤が少し大きめで、ちょっと石が沈み気味(目立たない)になってしまいました。あと一寸狭い水盤であれば、ちょうど良かったのですが、これも仕方がなく我慢という感じでしょうか |