6月になりますと、いよいよ鬱陶しい梅雨に入ります。今月は、展示会があったりするだけでなく、仕事も忙しくなってしまい、早くもちょっと疲労困憊気味です。梅雨入りまでは、もう少しだと思いますが、それまでには、せめて気分だけでも晴らしておかなければ、梅雨を乗り切ることができそうにありません(笑)
今月は、写真のようなちょっと草物を飾ってみました。軸は燕の図、添えには陶器製の桟橋を添えた3点飾りです。主石の紀州オギは、紫泥の鉢に植えたものです
この草は、オギの仲間で、小葉で丈も小さく、およそオギらしくないのですが、その反面、細長く垂れる風情は、涼しさとともに柔らかさも感じることができ、夏飾りのアイテムとしては、まあまあの物ではないでしょうか。今月は、この草を主役にして、軸には燕の軸、添えには桟橋を添え、水辺の景色を創出してみました。私のイメージとしては、琵琶湖の畔にある西の湖の風景という感じでしょうか・・・
紀州オギと言いますと、これからグングンと茎を伸ばして、茎が垂れながら花穂が出る風情が良いのですが、これは晩夏になってしまい、夏飾りにはイマイチで、一見すると風知草みたいな感じの今なら夏に飾れますので、飾ってみました。
軸は『燕(双燕)』を合わせてあります。燕は7月くらいまでは充分使える軸で、最高の旬は活発に活動する5月〜6月でしょうか。ベタではありますが、動いている動物の軸を掛けますと、飾り全体に動きと言うか躍動感が出てきますので、清涼感が欲しい夏には向きの軸でしょう
添えは、桟橋です。この型の桟橋は、「筏」とか「八つ橋」などと呼ばれている桟橋で、大きな湖というよりも、小さな池や沼にあるアイテムで、水辺の景色を出すのには、捨て小舟などと並んで、便利な物です。今回も、捨て小舟か桟橋を使おうか考えたのですが、こちらを使ってみました
水辺の植物であるオギと燕、それと、桟橋を今回は取り合わせてみました。たまには、このような飾りも良いでしょう |