4月の部

床の間飾り

主石:釜無川産土破石
幅cm×奥cm×高cm
水盤:陶翠呂均釉楕円水盤・欅平卓
軸は月の図


添えは丹頂草


3点飾り


 桜の開花が本格的な春の訪れを告げ、いよいよ春が実感できるようになってきました。これだけ暖かくなりますと、探石に行っても気持ちが良く、石が拾えずとも自然の懐に抱かれているだけでも気持ちが良くなります

 今月は、写真のような釜無川産の土破を飾ってみました。軸は「月」を掛け、添えには丹頂草を添えた3点飾りです
 主石の土破石は、右奥に山を持つ土破石で、この石を陶翠の呂均釉楕円水盤に据え、欅製の平卓と合わせ、軸は「月」の図、添えには丹頂草を取り合わせた3点飾りです

 この石は、これと言った特徴があるような石ではなく、どちらかというと、あまり特徴のない土破石です。しいて言えば山の形状と位置が良いという感じでしょうか。パッと見でもわかるように、山と破面のバランスがあまり良くありません。山のボリュームに対し、土破面が少し弱いのが、少し気になってしまいます。 破面の左端が少し乱れているのも、あまり良くなく、これも破面の力強さに欠けている一つの要因となっていますが、こればかりは、仕方がありません。 それでも、自宅で飾ってた楽しむくらいでしたら、何の問題もありませんので、今回飾ってみました

 軸は『月』を合わせてあります。石が黒の土破で、軸が地味な月では、春の季節感は少なく、季節感だけでなく、【春】という語感から受ける暖かさを感じることはできませんので、今回は、丹頂草の添えを添えてみました。呂均釉の色使いについても、少し悩んだところでしたが、春の華やかさを感じさせるとともに色彩的な彩りもプラスに働くだろうと考え、あえてこの色使いをしてあります

 瑠璃などの暗色系の水盤を使い、月の軸だけを合わせたのでは、あまりに地味すぎて季節感を感じることはできませんので、少しでも春の明るさや華やかさを出すための「水盤の色使い」と「添え草」ですが、まあまあその感じや雰囲気は出ているのではないかと感じています

 丹頂草の花茎が少し曲がってしまっているのはご愛敬ということで・・・・(笑)



玄関飾り

主石は釜無川山型石
幅cm×奥cm×高cm
外縁腰紐銅長方水盤・屋久杉地板
単飾り

 玄関飾りは、水石の単飾りです

 この石は、釜無川産の山型石です。この石を、外縁腰紐の装飾がある撫で角の銅水盤に据え、大隅入りの屋久杉地板と取り合わせてあります

 この石は、双峰の山型石で、谷部や主峰のところどころに白の石灰を噛んでいて、この白い部分を残雪に見立てて飾ってみました。この白い部分は残雪にしか見立てることができず、この時期しか飾れない石で、それほど良い石ではありませんが、季節感はたっぷりあり、この時期ならではの景色とはなっています

 今回は、奇しくも床間飾りと同じ釜無川の石になってしまいました。土破の方は、色も黒で質の良い石なのですが、こちらは、灰黒で石の緻密さが無く、だいぶ質が劣る感じの石です。それでも景色があれば楽しめますので、これも水石の楽しさの一つでしょうか

 残雪というと、山菜のことが頭に浮かんでしまい、山菜でも添えようかなとも思ったのですが、さすがにこの石とバランスのとれる鉢はなく、単飾りになってしまいました。今回は、黒石を銅盤で飾っていますので、色彩的にはかなり地味になっています。春ですから、少し華やかさを出したいところでしたが、いかんせん、この石に合う春らしい水盤や小さな添え草もありませんので、今回はこのようになってしまいました

 これだったら、石ではなく盆栽か山野草の方が春らしくて良かったかな・・・・・とも思いましたが、後の祭りです。来年は盆栽か山野草を飾ることにします








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