桜の開花が本格的な春の訪れを告げ、いよいよ春が実感できるようになってきました。これだけ暖かくなりますと、探石に行っても気持ちが良く、石が拾えずとも自然の懐に抱かれているだけでも気持ちが良くなります
今月は、写真のような釜無川産の土破を飾ってみました。軸は「月」を掛け、添えには丹頂草を添えた3点飾りです
主石の土破石は、右奥に山を持つ土破石で、この石を陶翠の呂均釉楕円水盤に据え、欅製の平卓と合わせ、軸は「月」の図、添えには丹頂草を取り合わせた3点飾りです
この石は、これと言った特徴があるような石ではなく、どちらかというと、あまり特徴のない土破石です。しいて言えば山の形状と位置が良いという感じでしょうか。パッと見でもわかるように、山と破面のバランスがあまり良くありません。山のボリュームに対し、土破面が少し弱いのが、少し気になってしまいます。 破面の左端が少し乱れているのも、あまり良くなく、これも破面の力強さに欠けている一つの要因となっていますが、こればかりは、仕方がありません。 それでも、自宅で飾ってた楽しむくらいでしたら、何の問題もありませんので、今回飾ってみました
軸は『月』を合わせてあります。石が黒の土破で、軸が地味な月では、春の季節感は少なく、季節感だけでなく、【春】という語感から受ける暖かさを感じることはできませんので、今回は、丹頂草の添えを添えてみました。呂均釉の色使いについても、少し悩んだところでしたが、春の華やかさを感じさせるとともに色彩的な彩りもプラスに働くだろうと考え、あえてこの色使いをしてあります
瑠璃などの暗色系の水盤を使い、月の軸だけを合わせたのでは、あまりに地味すぎて季節感を感じることはできませんので、少しでも春の明るさや華やかさを出すための「水盤の色使い」と「添え草」ですが、まあまあその感じや雰囲気は出ているのではないかと感じています
丹頂草の花茎が少し曲がってしまっているのはご愛敬ということで・・・・(笑) |