2月の部

床の間飾り

主石は安倍川産島型石
幅21cm×奥12cm×高9cm
水盤は天佑水蕎麦釉外縁長方水盤・花梨平卓
軸は枝垂れ桜の図


2点飾り


 異常暖冬が続いていた今年の冬もどうやら終わり、いよいよ春らしくなってきました。それでも、朝晩はまだ冷え込みが続いていて、こちらでは、早朝はマイナス1度〜3度くらいですが、下旬くらいになれば氷点下まで下がる事はさすがになくなり、麗らかな季節の始まりとなる月です

 今月は、写真のような安倍川産の島型石を飾ってみました。軸は「糸桜」を掛け、2点飾りです
 主石の島型石は、典型的な・・・と言いますか、これぞ島型といったような優等生的な景状の石で、この石を天佑水作の蕎麦釉外縁短冊水盤に据え、花梨製の平卓と合わせてあります。掛け軸は、春らしく今回は「糸桜」を合わせての2点飾りです

 この石は、非常に構えが良く、見付けの出入りも入り江を思わせるもので、まさしく島を思わせる石になっていて、欠点はほとんど無いのですが、取り立てて褒めるような石ではありません。ちょっと他の魅力(川擦れや石質面)に欠ける事が、この石の魅力を増していない原因でしょう。とは言いましても、充分飾れる石ですので、今回、少しでも暖かさを感じられるよう蕎麦釉の水盤と合わせてあります

 この水盤は、いつ・どこで・誰が作った物なのか?・・・が、まったくわかりません。かなりの数の水盤を見てきたつもりなのですが、この水盤だけは、その落款も(天佑水)初めて見ますし、土目も他に類例がありません。もちろん、ネットで検索しても、何も引っかかりません。盆栽鉢ならば、アマチュアの方もたくさん作っていますので、その可能性もあるのですが、この水盤は、アマチュアの作ではなく完全にプロの作で、恐らく、どこかの水石愛好家の方が、知り合いの陶芸家にでも頼んで作ってもらった物ではないかと推察しています

 裏の落款は、釘彫りで 【天佑水】 と入っています。この作者についての情報をお持ちの方は、ぜひお教えいただきたいと思っています。どんな小さな事でもかまいませんので、お教えいただけると幸いです

 軸は『糸桜』を合わせてあります。普通の桜も旬で良いのですが、この糸桜(枝垂れ桜)も季節的には、ちょうど良い感じです。糸桜の実物は少ないのですが、画題としては以外と多く、たくさんの画家に描かれています。水石との取り合わせも、普通の桜よりも糸桜の方が風情が増しますので良さそうに思っています

 軸に花の咲いている樹を使っていますので、添え草は置かず、置くとすれば添配になるのですが、2点飾りで景色も暖かさも充分表現されていますので、今回はこのようにしました



玄関飾り

主石は千松遠山石
幅6cm×奥5cm×高9cm
獅子丸黄釉鋲打ち楕円水盤・紫檀平卓
単飾り

 玄関飾りは、水石の単飾りです

 この石は、千松石と呼ばれている山型石です。その石を、黄釉の楕円水盤に据え、紫檀の平卓と取り合わせてあります
 千松石とは、あまり知られていない石ですが、岩手県内のある特定の場所(水田地帯にある用水路)から採出される石で、地元では「梨地石」とも呼ばれていますが、全国的に言われている梨地石は、梨のような小さな窪みが一面に散らばっているのですが、この梨地石(千松石)は、窪んでいるのとは反対に小さな点が浮き出ているちょっと変わった石です。また、小さな用水路からしか採出されませんので、川擦れなどは皆無で、すべての石肌がボチボチの尖った点がある石となっています

 石自体はあまり類例のない石なのですが、硬度も充分ですし、石肌も面白い真黒石です。でも、用水路や畑の脇などで極少量しか出ませんので、なかなか世間一般に知られる石ではないと思います

 この石も、その例に漏れず小さな用水路から拾った石で、右裾に副峰を持った山なのですが、上部が少し後ろに反り気味なのが気になります。かといって手前に戻してきますと裾全体が凹んでしまいバランスが悪くなってしまいますので、この据え位置で我慢して飾っています








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