3月になりますと、まだまだ寒い日もありますが、春の訪れを実感できる暖かい日が続いてきて、なんとも明るく良い気分になってきます。今年も相変わらずの暖冬でしたが、例年よりもかなり暖かい冬のようで、2月にもかかわらず25度という夏日になるなどという信じられない陽気があったり、暖冬傾向が一段と強まったように感じた冬でした。まだまだ肌寒い日は続くと思いますが、すっかり春めいてきて、季節は確実に移り変わっています
今回の飾りは、さりげなく春らしさを実感できる水石飾りです。主石は三陸海岸産の山型石で、天目釉の反り縁水盤に据え、紫檀の平卓に飾りました。添えは、ジョウビタキの図を添えた2点飾りです
主石の三陸海岸石は、海擦れの効いた真黒の山型石です。この石を反り縁の水盤に据え、紫檀の平卓と取り合わせました。軸はジョウビタキの図をあわせてあります。添えについては、置こうかどうか考えましたが、軸にネコヤナギがあるのと、あまり良い添え草がないので、2点飾りとしました
この石は硬質の真黒ですので、変化の多い石は少ないなかでこれだけ変化があり形状が良いのは、なかなか貴重ではないかと思っていて、僕自身お気に入りの石です。まだまだ養石は足りず若い石ではありますが、いつかは展示会にでも出そうかなと思っているものです
石・水盤・卓と品良く調和していると思っていますので、自宅で飾るのには勿体ないくらいですが、たまにはこのような飾りも良いでしょう
軸については、前述したとおりジョウビタキで、この野鳥は秋になると日本に渡ってきて、春になると繁殖地であるシベリアへ帰るという冬鳥で、オレンジ色をした胸と背中に見える白い斑点が良く目立ち、おまけに市街地へ渡ってきますので、昔から紋付き鳥と呼ばれて親しまれてきた野鳥です。4月になるとシベリアへ向かって旅立っていきますので、今月が最後に見せる姿という事になります |