甲府の初霜平均日は11月1日だそうで、11月の声を聞くとそろそろ初冬かなと思うのですが、ここ10数年ほどは温暖化のせいなのか、それほど初冬という感じがせず、下旬くらいにならないと初冬というイメージがでてきません。現在のペースで温暖化が進んでしまうとあと20年後くらいには、甲府でもミカン栽培ができてしまう気候になるそうです。温暖化はメリットもあるでしょうが、それ以上にデメリットの方が多く、世界規模で見るとそのデメリットははるかに大きくなってしまいますので、そろそろこれにストップをかけるようにしなければなりません
個人の力など微々たるものではありますが、温暖化要因の三分の一は人間の普通の生活からくるものですから、一人一人が省エネや節電に努めるようにすることが、まずしなければならない事ですので、注意して生活したいものです
ますます日は短くなってきて、だんだん寂しい季節になってきたように思いますが、反面、冬を目前にして落ち着いた感じになってきていますので、石の手入れをしたり・台座を作ったり・飾って楽しむのにはちょうど良い季節かもしれません
今月の飾りは、三陸海岸産の溜まり石を主役にした飾りです。この石を一弘の瑠璃釉水盤に据え、紫檀の平卓と合わせてみました。軸は双鹿の図、添えにはコガネシダの根洗いを添えた3点飾りです
この石は、三陸海岸産の薄溜まり石で、真黒でねっとりとした緻密な石質です。変化に富むような石などは皆無なので、この石のように少しの変化を探して拾う石ですが、もちろん、なかなか見られるような石はありません。それでも、この石などは、纏まりのある方なので、これだけ均整が取れていると、溜まりの芸はわずかではありますが、その風情だけでも充分楽しめる石になっていると思っています。擦れとバランスの良さなどを鑑賞する大人の石といった感じでしょうか
この石を楕円水盤と平卓とで取り合わせてみました。軸は双鹿の図です。そろそろ紅葉時期ですし薄溜まりでもありますから鹿を添えてみました
添えには根洗いのコガネシダを添えてみました。コガネシダは好きな草ですので何鉢か作っていて、ほとんどは赤くなってしまっているのですが、この根洗いだけは寒さに与えずお籠もりしていたので、まだ緑がかなり残っています(笑)
今回の飾りでは溜まり石を使ったのですが、中途半端というか何というか、薄溜まりであればもう少し石も平石であるか、それとは逆にもう少し厚みがあれば薄溜まりが活きるように思っているのですが、これはちょっと中途半端な厚みの石です。この石を少しでも洒落て見せなければなりませんので、合わせる道具をどのように使うのかが難しいところです。薄い水盤を使うと石がボテってしまいますし、厚い水盤を使うと全体が重くなってしまいますので、中深で濃色を使う事でそのあたりを少しでもカバーできればと、この飾りにしてみました |