お盆過ぎから朝夕はだいぶ過ごしやすくなってきて、残暑厳しいとはいえ、秋の訪れを少しずつ感じさせてくれます。9月に入りますと、初旬はまだまだ厳しい暑さが残りますが、だんだん秋めいてきます
今月の飾りは、奈良井川産の茅舎石を主役にした飾りです。この石を紫檀の長方地板に合わせ、軸は鈴虫の図、添えには旅僧を添えた3点飾りです
この石は、川擦れの良い奈良井川産の真黒石です。石の生成過程を考えるとジャクレ石で茅舎になるのは、それほど珍しくありませんが、硬質の真黒石での茅舎はあまり見かける事はなく、珍しい部類ではないかと思っています。 この石を、薄手の長方地板と取り合わせてみました。やや広めの地板ではありますが、ちょうど良い大きさの地板ですと、全体がこぢんまりとしてしまい、この床には小さすぎてしまいますので、この地板を使ってみました。実際は、これでも小さいとは思うのですが、許容範囲ギリギリというところでしょうか
軸は鈴虫の図です。そろそろ鈴虫が鳴く季節になりましたので使いましたが、本当ならお盆くらいに掛けるのが時期的にはちょうど良いのでしょうが、ここでは毎月の飾りと言う事になっていますので、お許しください 添えは磁器製の旅僧です。時代が付きすぎて真っ黒けになってしまっていますが、この主石に対してのバランスはちょうど良い感じなので、今回使ってみました
茅舎石が茅舎でも良いし御堂に見立てても良いし、旅の旅僧と鈴虫と取り合わせて、秋の始まりの長閑な田舎風景を飾ってみました
大きさのバランスや勝手の取り方など、ピシッと決まった飾りにはほど遠いのですが、トータルで見るとまあまあという感じでしょうか |