8月に入りますと、初旬はまだまだ厳しい暑さが続きますが、暦の上では立秋になります。昔はお盆を過ぎれば暑さもだいぶ緩んできたものですが、近年は、暑さが緩むことなく続いていて、これも地球温暖化の影響だろうと思われます
それにしても、まだまだ暑さは続きますので、少しでも涼しげな飾りを心掛けて、気持ちくらいは涼しげに保っていきたいものです
今月の飾りは、天竜川産の島形石を主役にした飾りです。この石を長方水盤に合わせ、軸は飛燕の図、添えには紅チガヤの根洗いを添えた3点飾りです
この石は、川擦れの良い天竜川石で、すでに亡くなられている先輩からもらったものなのですが、元々はそのまた先輩が採石した石で、拾われてからは40年以上が経過している石です
この石を、九輪の外縁付きの水盤に合わせ、紫檀の平卓と取り合わせてみました。水盤は短冊形の水盤のため、やや卓が広めではありますが、なんとか許容範囲ギリギリというところです
軸は飛燕の図です。こちらでは、毎年8月のお盆の頃になりますと、2回目の繁殖も終わり、しばらくの間幼鳥の飛行訓練をした後、東南アジアへ旅立っていきますので、今月くらいまでは燕を使っても良いので、今回はこの軸を合わせてみました
添えは紅チガヤの根洗いです。名前のとおり、葉の先が赤くなりやや暑苦しくも感じますが、草姿はスラッと伸びた夏向きの草ですので、石とのバランスも良いなのでこの草を添えてあります
イメージとしては、島々を飛び回る燕の景色という感じで、瀬戸内海の景色を想像させるような飾りを心掛けてみました
この石は、天竜川石とは言え実際は三峰川産のやや白っぽいジャクレ石です。硬質の蒼黒ジャクレ石はあまり大きな芸が出ないのですが、この白っぽい石は大きな芸が出る石で、変化に富む石としては面白いのですが、なかなか時代が乗ってこないのが弱点といえば弱点です。前述したとおり、僕の手元にくるまでに40年くらいは経過しているのですが、ジャクレの肌目部分はだいぶ黒くなってきているのですが、皮目の部分はほとんど時代が付いていません |